2019年10月13日 秋華賞 G1
優勝馬:クロノジェネシス
プロフィール
- 生年月日
- 2016年03月06日 03歳
- 性別/毛色
- 牝/芦毛
- 戦績
- 国内:7戦4勝
- 総収得賞金
- 1,101,714,000円
- 馬主
- (有) サンデーレーシング
- 生産者
- ノーザンファーム (安平)
- 調教師
- 斉藤 崇史
- 騎手
- 北村 友一
ノーザンファーム生産育成馬が5連覇を果たした、今年の秋華賞(G1)。その中でもノーザンファーム早来育成馬は、2016年のヴィブロスから、ディアドラ、アーモンドアイと立て続けに勝利。そして今年、その歴史にクロノジェネシスが名前を刻んだ。
育成を手がけた野崎厩舎だが、この夏はクロノジェネシスの調整も行ってきた。
「オークス(G1)の後に戻ってきたのですが、疲れもあったのか、馬体もげっそりとしていました。放牧、トレッドミルでの軽い運動を行ううちに減っていた馬体も回復し、騎乗調教が始められたのは6月末になってからとなりましたが、それからは何の問題も無く、調教ペースを上げていくことができました」と話すのは、野崎孝仁厩舎長。ただ、全てが上向きだっただけでなく、落ちていた背中の筋肉がなかなか戻らなかったことや、乗っていてもハミを弾くような仕草を見せるなど、気になる点もあったと話す。
もう一つ、気になっていたのは一気に回復した馬体重だった。乗り運動の距離を延ばすなど、調教の中身を濃くして馬体調整を行ったものの、それでも飼い葉食いは落ちなかったどころか、動きも更に良くなっていったという。
「そのうちに背中の筋肉も戻り始め、気になっていたハミも、ある時に周回コースで思うがままに走らせてみたら、いつしかしっくりとくるようになりました。管理をする斉藤調教師も、幾度となく様子を見に来ていましたが、『以前よりも乗りやすくなった』と話していました」
9月の上旬には牧場を離れたクロノジェネシスだが、それまでの過程に際し、野崎厩舎長は、「予定通りでした」と振り返る。
「最終追いきりも余力を残して走っているようでしたし、秋華賞(G1)でのプラス20㎏の馬体重も想定していた通りでした。レースもいいところを北村友一騎手が進んでくれましたし、最後の直線で先頭に立ったときには、安心して見ていることができました。斉藤調教師はノーザンファーム早来のOBですし、初めてのG1馬が自分たちの手がけてきた馬であることも嬉しい勝利となりました」
まさに「完勝」と言えるレースを見せてくれたクロノジェネシスだが、次に目指すのは古馬が相手となるエリザベス女王杯(G1)。ここには同世代のオークス馬であるラヴズオンリーユーだけでなく、ミッキーチャームといった歴戦の古馬たちも出走を予定している。
「相手は更に強くなりますが、それでもエリザベス女王杯(G1)を更にいい状態で使うためのローテーションですし、いい走りを見せてもらいたいです」
阪神JF(G1)では2着、桜花賞(G1)とオークス(G1)では3着と悔しい思いをしてきたが、それを払拭するようなこの秋華賞(G1)の勝利。3歳最強牝馬に名乗りを上げたクロノジェネシスが次に目指すのは、現在の日本競馬における「最強牝馬」の座なのかもしれない。