重賞ウィナーレポート

2019年05月18日 平安S G3

2019年05月18日 京都競馬場 曇 良 ダ 1900m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:チュウワウィザード

プロフィール

生年月日
2015年04月19日 04歳
性別/毛色
牡/青鹿毛
戦績
国内:11戦7勝
総収得賞金
635,993,000円
キングカメハメハ
母 (母父)
チュウワブロッサム  by  デュランダル
馬主
中西 忍
生産者
ノーザンファーム (安平)
調教師
大久保 龍志
騎手
川田 将雅
  • 毎週のように重賞勝ち馬を送り出すC1厩舎
    毎週のように重賞勝ち馬を送り出すC1厩舎
  • 育成施設のある場所まで、厩舎によってはかなりの距離もあるが、それもまたいい運動になっている。
    育成施設のある場所まで、厩舎によってはかなりの距離もあるが、それもまたいい運動になっている。

 ノーザンファーム空港のC1厩舎出身の育成馬たちが、とんでもない活躍を見せている。

 この春のG1レースでもフィエールマンが天皇賞(春)(G1)を優勝し、アドマイヤマーズがNHKマイルC(G1)を制覇。そのフィエールマンと同世代となるチュウワウィザードも、交流重賞であげた2つの重賞勝利に続けて、ついに平安S(G3)で中央の重賞ウイナーともなった。

 「この4歳世代は他場生産馬を含めても、既に6頭のオープン馬が誕生してくれています。3歳世代もアドマイヤマーズだけでなく、共にNHKマイルC(G1)に出走していたグルーヴィットや、日本ダービー(G1)にもサトノルークス、シュヴァルツリーゼ、ランフォザローゼスと3頭の育成馬を送り出すことができました」と話すのはC1厩舎の高見優也厩舎長。この3歳世代、7071頭のうちで僅か18頭しか出走を許されないレースに3頭の育成馬を送り出した事実はまさに驚愕でもある。まだまだオープン馬の数を増やしていきそうな4歳世代に加え、この3歳世代もまた、来年の今頃にはオープン馬がずらりと揃っているのではという気さえしてくる。

 先述したように昨年の名古屋グランプリ(Jpn2)で重賞初勝利を飾り、今年のダイオライト記念(Jpn2)も勝利したチュウワウィザード。中央では初の重賞挑戦となった東海S(G2)こそ2着に敗れているが、その時の勝ち馬が、後にフェブラリーS(G1)の勝ち馬となったインティだったことを考えると、致し方ない敗戦だったとも言える。

 「この平安S(G3)も実績面は申し分ありませんでしたし、管理をしていただいている大久保先生も自信があると話していました。ただ、58㎏という斤量は正直きついのではと思っていたのも事実でした」(高見厩舎長)

 デビュー以来、一度も3着以下になったことが無いチュウワウイザードであるが、それもどのレースにおいても、確実に末脚を使えるからだとも言える。実はこのスピード能力の高さを育成時から感じ取っていた高見厩舎長は、芝でもやれるのではと思っていたという。

 「キングカメハメハ産駒としては堅めの印象がありましたが、いいスピードがありましたし、ダートで勝ち上がった後は、芝のレースも使うのかなと思っていた程です。ただ、大久保先生や関係者の皆さんが適性を見抜いてくれたからこそ、ダート馬としてここまでの馬になれたのだと思います」(高見厩舎長)

 後方からのレースとなった平安S(G3)。最後の直線では同じように追い込んできたモズアトラクションと肩を並べたチュウワウイザードは、その叩き合いをハナ差制した場所がゴール板だった。

 次走は初のJpn1挑戦となる帝王賞(Jpn1)を予定しているが、ここには東海S(G2)で先着を許したインティや、同じノーザンファーム空港の育成馬で、現在のダート古馬重賞戦線の頂点に立つゴールドドリームも出走を予定している。

 「相手は一気に強くなりますが、それでもチュウワウィザードも強くなっていると思いますし、いいレースを見せてもらいたいです」(高見厩舎長)

 日本ダービー(G1)の後からは2歳戦がスタート。そのことも高見厩舎長に話を聞いたが、「育成を手がけた2歳馬たちも楽しみな馬が揃っていますよ」との言葉を返してくれた。今後、ますます層が厚くなっていきそうなC1厩舎出身の育成馬たちから目が離せない。