重賞ウィナーレポート

2019年02月11日 クイーンC G3

2019年02月11日 東京競馬場 曇 良 芝 1600m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:クロノジェネシス

プロフィール

生年月日
2016年03月06日 03歳
性別/毛色
牝/芦毛
戦績
国内:4戦3勝
総収得賞金
1,101,714,000円
バゴ(FR)
母 (母父)
クロノロジスト  by  クロフネ(USA)
馬主
(有) サンデーレーシング
生産者
ノーザンファーム (安平)
調教師
斉藤 崇史
騎手
北村 友一

 今年のクイーンC(G3)を優勝したクロノジェネシスは、昨年の紫苑S(G3)を制したノームコアの半妹となる。そして、2頭共にノーザンファーム早来の野崎厩舎で育成が行われてきた。

 「姉(ノームコア)と似ているのは柔軟な動きと、毛色ぐらいですかね」と笑顔で話すのは野崎孝仁厩舎長。ノームコアの父はハービンジャーであり、育成時から産駒特有の力強い走りをしていたというが、バゴに父が変わったクロノジェネシスは、素軽い走りを見せていたという。

 「調教も順調に来ていましたが、育成時の印象としては、そこまで目立った馬ではありませんでした。それだけにレースであれだけの切れがあるのは驚きでした」(野崎厩舎長)

 デビュー戦となったメイクデビュー小倉、続くアイビーSとメンバー中最速の末脚を使って連勝。続く阪神JF(G1)では勝ち馬のダノンファンタジー(34秒0)を上回る33秒9の上がりを使ったものの、半馬身差交わしきれず2着に敗れている。

 「出遅れで後方からのレースを余儀なくされた阪神JF(G1)でしたが、それでも2着まで追い込んでくれたことで、改めて能力の高い馬だと思うようになりました」(野崎厩舎長)

 レースが行われるはずだった土曜日(9日)は降雪の影響が考慮され、月曜日(11日)に順延。クロノジェネシスも東京競馬場での滞在を余儀なくされたが、レースでは全くその影響を見せなかった。前走とは違って、スムーズなスタートを切ると、道中は6番手を追走。最後の直線では馬なりで先頭に躍り出て、後方から追い込んできたビーチサンバの追い込みをクビ差凌ぎきってみせた。

 着差は僅かながらも、レース後の北村友一騎手からは、「8割くらいの仕上がりで能力を出してくれました。距離が伸びても大丈夫」という言葉が聞かれており、また、管理をする斉藤崇史調教師からも、「競馬場では気持ちが入ってしまうが、オークス(G1)の距離は持たせたい」と先を見越したコメントが聞かれた。

 「育成時の印象としてはカリカリした印象は無かっただけに、オークス(G1)の距離もこなしてくれると思います」と野崎厩舎長は話すが、その前にクロノジェネシスが挑むのは、直行が発表された桜花賞(G1)。このレースでは2着のビーチサンバだけでなく、阪神JF(G1)で先着を許したダノンファンタジーも出走を予定しているが、3頭共にノーザンファーム早来の育成馬となる。

 「牧場内だけでもライバルがひしめき合っていることを、改めて実感しています。今後もトライアルなどで強いレースをした馬も出てくるでしょうが、桜花賞(G1)でもクロノジェネシスらしいレースをしてもらいたいです」

 この勝利で、改めて2歳女王となったダノンファンタジーへの挑戦権を掴んだと言えるクロノジェネシス。そのダノンファンタジーも出走を予定している桜花賞(G1)だが、三度目の正直で巻き返しを期するビーチサンバや、牡馬相手の朝日杯FS(G1)で1番人気を背負ったグランアレグリアも、育成牧場こそ違うが(ノーザンファーム空港)怖いライバルとなりそうだ。今年のクラシック牝馬戦線は、ノーザンファームで最も強い牝馬が、この世代最強の牝馬ともなるのかもしれない。