重賞ウィナーレポート

2018年07月22日 中京記念 G3

2018年07月22日 中京競馬場 晴 良 芝 1600m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:グレーターロンドン

プロフィール

生年月日
2012年05月23日 06歳
性別/毛色
牡/鹿毛
戦績
国内:15戦7勝
総収得賞金
167,794,000円
ディープインパクト
母 (母父)
ロンドンブリッジ  by  ドクターデヴィアス(IRE)
馬主
窪田 芳郎
生産者
下河辺牧場 (門別)
調教師
大竹 正博
騎手
田辺 裕信

 サマーマイルシリーズの開幕戦となる「第66回中京記念(G3)」。距離が2000mから1600mへと短縮されて7回目となる今回は1番人気で日高町の下河辺牧場生産のグレーターロンドンが後方待機策から最後の直線で豪快に伸びて1分32秒3のレコード勝ち。自身初となる重賞タイトルに花を添えた。

 40度近くまで気温が上昇したこの日、競馬場へ足を運んだと言う下河辺牧場の下河辺行雄代表は「グレーターロンドンにとっては初めてとなる関西圏への輸送競馬ということで心配していましたが、しっかりと集中力を切らさずにパドックを周回する姿を見て、この馬の能力を出せるような状態であると確信しました」と当日を振り返ってくれた。

 下河辺牧場は1966年創業。現在は生産、中期育成、そして後期育成の3分野併せて約250ヘクタールの土地に繁殖牝馬は120頭。およそ70人のスタッフとともに強い馬づくりに励んでいる。

 2017年菊花賞馬キセキに2003年の三冠牝馬スティルインラブ。ほか、2004年のオークス馬ダイワエルシエーロ、2013年の桜花賞馬アユサン、2014年の阪神ジュベナイルフィリーズ(G1)優勝ショウナンアデラほかダノンシャーク(マイルチャンピオンシップ(G1))ムガムチュウ(ダービーグランプリ(G1))などのG1/JpnⅠ勝ち馬を送り出してきた。

 グレーターロンドンはダイワエルシエーロと11歳違いの半弟にあたる。「(母親にあたる)桜花賞(G1)2着ロンドンブリッジはレベルの高い馬を多く輩出してくれたばかりか、菊花賞(G1)を勝ったキセキの祖母にもなってくれました。牧場にとって宝物のような存在です」と話してくれ「グレーターロンドンは、5月23日生まれということもあって、他の馬と比べると小さな馬でした。そういう意味ではダイワエルシエーロと似て生まれたかもしれません。あの馬も、本当に小さく生まれましたから」と振り返った。

 3歳2月にデビューしたグレーターロンドンはデビュー戦を快勝。途中、1年以上に及ぶ休養を余儀なくされたものの、父ディープインパクト譲りの瞬発力を武器に、3歳秋から5歳春にかけて5連勝を記録。初めての重賞挑戦となった安田記念(G1)でもコンマ1秒差4着と健闘し、将来を嘱望される素質馬だった。しかし、勝てそうで、それでいて勝てない競馬が続いた。

 「重賞タイトルは、そう簡単に獲れるものではないと承知していますが、今回は改めてそのことを思い知らされました」。デビュー15戦目の初重賞タイトルを、そう表現し「田辺騎手は16番を引いた時点で腹をくくったと思いますが、積み重ねた悔しさを払拭するようなレコード勝ちに溜飲が下がる思いです。6歳となった今も能力に衰えがないことを示してくれたわけですから、これからもこの馬らしい競馬で活躍して欲しいと願っています」とエールを送っている。