重賞ウィナーレポート

2018年04月07日 NZトロフィー G2

2018年04月07日 中山競馬場 曇 良 芝 1600m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:カツジ

プロフィール

生年月日
2015年04月27日 03歳
性別/毛色
牡/鹿毛
戦績
国内:4戦2勝
総収得賞金
171,145,000円
馬主
(株) カナヤマホールディングス
生産者
岡田スタツド (静内)
調教師
池添 兼雄
騎手
松山 弘平

 上位3着までにNHKマイルカップ(G1)への優先出走権が与えられるニュージーランドトロフィー(G2)が4月7日、千葉県の中山競馬場で行われ、新ひだか町の岡田スタッド生産カツジが最後の直線で大外一気の強襲を決めてデビュー4戦目で重賞ウイナーの仲間入りを果たしている。

 岡田スタッドは、戦後まもない頃から馬産に携わった岡田蔚男牧場を、その前身とする。72年から本格的に馬産に取り組み、84年に岡田スタッドと改称、現在は新ひだか町目名の本場と豊畑地区の分場など道内外にある7つの関連牧場で生産、育成、調教を一貫して行っている。07年の有馬記念(G1)優勝馬マツリダゴッホや一昨年のJRA賞最優秀ダート馬サウンドトゥルー、あるいは重賞最多勝スマートファルコンなどを送り出している牧場だ。

 代表の岡田牧雄さんに話を伺った。「調子が良いと聞いていましたので期待してみていましたが、道中は思うような位置で競馬が出来ずに、苦しいレースだったと思います。最後まで本当によく頑張ってくれました」。スタートではさまれ、3コーナーでは行き場を失うように後方に下がりながらも、母親譲りとも思える豪快な末脚を披露した愛馬のレースを振り返りながら、喜びを話してくれた。

 「北九州記念(G3)に勝っている母メリッサとの母仔重賞制覇は生産者として嬉しい限りですが、この馬の場合は5代母サンマリノから(61年生、父トサミドリ)から当牧場で大事に育ててきた血統で、いわば牧場の土台を作ってくれた血統なのです。そういう意味で本当に嬉しい」

 サンマリノは名牝サンキスト直仔で、天皇賞(秋)と有馬記念を制したガーネットとは6歳違いの全姉妹という関係にあたる。先代の岡田蔚男牧場にミホランザン(朝日杯3歳S)を生んだほか、数々の活躍馬の源となった。セイウンワンダー(朝日杯フューチュリティS(Jpn1))やマルブツサンキスト(小倉記念(G3))サダムブルースカイ(函館2歳S(G3))マイネルブラウ(小倉大賞典(G3))など長くコンスタントに活躍馬を送り続けるファミリーだ。

 「母メリッサも8戦目で勝ちあがり、6歳夏に重賞を勝ったように、基本的には晩成型の血統です。生まれたときから期待の大きな馬でしたが、育成を進めるうちにどんどん頭角を表してきた馬です」。育成牧場時代は、併せ馬の相手に苦労するような存在になっていたという。

 「これからは、どんどん強い馬と競馬をしていかなければならないと思いますが、この馬も能力は持ち合わせていると思いますし、持ち前の成長力で頑張って欲しい」とエールが送られている。