2018年02月25日 中山記念 G2
優勝馬:ウインブライト
プロフィール
- 生年月日
- 2014年05月12日 04歳
- 性別/毛色
- 牡/芦毛
- 戦績
- 国内:12戦5勝
- 総収得賞金
- 299,523,000円
- 馬主
- (株) ウイン
- 生産者
- コスモヴューファーム (新冠)
- 調教師
- 畠山 吉宏
- 騎手
- 松岡 正海
近年では海外レースへ向かう馬の始動にもつかわれ、昨年よりG1へ昇格した大阪杯(G1)へのステップレースとなる中山記念((G2)、芝1800m)。今年も強豪メンバーが集うなか、2番人気のウインブライトが勝利し、昨年のスプリングS((G2)、中山芝1800m)、福島記念((G3)、福島芝2000m)に続き重賞3勝目を挙げた。
ウインブライトを生産したコスモヴューファームの山口昌之マネージャーはテレビの前でレースを見守った。「中山1800mという得意の舞台。松岡騎手から前走(中山金杯(G3)2着)より更に状態が良くなっていると聞いていたので期待していましたし、勝ってほしいと思っていました」と話す。「縦長の展開になりましたが、折り合いに不安のない馬ですし、良いポジションにつけられたと思いました。」道中4番手でレースを進め、3コーナーからスパート。ゴール前でしぶとく逃げ粘るマルターズアポジーに迫りかけ、再び食いさがる2着のアエロリットをクビ差抑えた。「あともう少し。」「そのまま、そのまま。」「やった!」と応援に熱が入ったそうだ。「最後まで粘れるのがこの馬の真骨頂。勝った瞬間嬉しかったです。スタッフみんなで祝勝会もしました」と喜びに満ちた顔で話す。「G2の中でも格が高い中山記念(G2)。ここで良い勝負ができれば、この後も良いレースができるのではないかと思っていました。勝てたのは大きいですね。」
コスモヴューファームは、ビッグレッドファームグループの一つで、生産・育成・調教・休養を行っている総合牧場。本場と点在する4つの分場全てが広大な土地に作られており、総敷地面積は230ヘクタールにのぼるため、新冠町の泊津地区一帯に牧場が広がっているイメージだ。広々とした放牧地で多くの運動量を確保し、馬にとってのストレス軽減まで考え造られている施設で、独自のハードトレーニングを行い心身ともにタフで丈夫な馬づくりを行っている。今年は積雪量が例年になく多い日高だが、場内の道路はきれいに除雪がされていた。朝はまず雪かきをして調教騎乗への馬道を優先的に作ることからはじめるそうだ。場内ではスタッフが大きな声で挨拶をして下さり、様々な方面で細部まで行き届いていることを感じさせる。
当牧場で生まれ育ったウインブライトと同じく、母サマーエタニティも牧場の出身馬だ。JRAで3勝を挙げ繁殖として戻ってきた。母親としては放任主義の子育てタイプで、その分ウインブライトはマイペースにのびのびと育ったそうだ。
父は、全姉ウインファビラス(現役・阪神JF(G1)2着、新潟2歳S(G3)2着)から三年連続ステイゴールドが選ばれている。ステイゴールドを配合した理由を岡田義広代表は「オルフェーヴルなどもそうですが、ノーザンテーストの近親配合の相性の良さがポイントです。母の血統は短距離のパワータイプ。芝の中距離以上で活躍馬を出す種牡馬の選択肢はそう多くはありません。自社の種馬ということはもちろんありますが、ステイゴールドの繊細な筋肉をイメージして配合しました」。
全姉以上の活躍を期待されたウインブライトは2歳6月、クラブのビッグイベントである北海道牧場見学ツアーの日にデビュー。期待には残念ながら応えられず、2戦して一旦牧場へ戻しリフレッシュさせる。山口マネージャーは「父の産駒は遅咲き傾向と言われますし、今思えばやっぱりまだ早かったのでしょうね」と振り返る。仕切り直して11月にレースへ復帰すると、馬体も成長し見事初勝利を挙げる。その後500万下特別、スプリングS(G2)を勝利し、向かったクラシック街道は苦戦を強いられる。しかし、昨年11月に重賞2勝目を挙げた福島記念(G3)の頃から「馬体が見違えるほどパワーアップしました」と山口マネージャー。本馬の成長を嬉しそうに語った。
次走は、自ら優先出走権をもぎとった4/1大阪杯((G1)、阪神芝2000m)を予定している。「ステイゴールドの仔は成長力があるので、古馬になってもますます強くなると期待しています。相手はさらに骨っぽくなりますが、クラシックで良いところを見せられなかった分、調子の良い今だからこそ良いレースを見せてほしいです!」
着実に力をつけ本格化した今、G1のタイトルに手が届く日も近そうだ。