2017年12月24日 有馬記念 G1
優勝馬:キタサンブラック
プロフィール
- 生年月日
- 2012年03月10日 05歳
- 性別/毛色
- 牡/鹿毛
- 戦績
- 国内:20戦12勝
- 総収得賞金
- 1,876,843,000円
- 馬主
- (有) 大野商事
- 生産者
- ヤナガワ牧場 (門別)
- 調教師
- 清水 久詞
- 騎手
- 武 豊
ファン投票などによって出走馬が決められる「第62回有馬記念(G1)」は12月24日、千葉県の中山競馬場の芝2500mで行われ、好スタートから楽に先手を取ったファン投票1位のキタサンブラックが、そのまま他馬に1度として並ばれることなく完璧な逃げ切り勝ちで7つめのG1タイトルを手中にした。優勝タイムは2分33秒6(良)。国内G1競走7勝はシンボリルドルフ、テイエムオペラオー、ディープインパクト、ウオッカ、と並ぶ歴代1位タイ。この1勝で1着賞金の3億円を積み上げたキタサンブラックの生涯収得賞金は18億7,684万3,000円(付加賞含む)となり、歴代単独1位となった。通算成績は20戦12勝。
キタサンブラックは、2018年からは社台スタリオンステーションで種牡馬生活を送ることが決まっており、今回がラストラン。この日も、先代で現会長の正克氏は牧場事務所で愛馬に声援を送り、正普代表は競馬場で愛馬を見守った。
「パドックではいつものように良い状態に見えました。レースの前は、現役最後の1戦ですから、勝ち負けよりもこの馬らしい競馬をして欲しいという気持ちでした」という正普代表の思いを乗せた愛馬は、公開抽選で武豊騎手が引き当てた1枠2番の絶好枠から得意の逃げ先行。
この日中山競馬場に足を運んだ10万人を超えるファンの前で、これまで同様の危なげないパフォーマンスを披露して有終の美を飾った。「有馬記念(G1)は選ばれた馬たちによる特別なレース。馬がゴールするまでハラハラドキドキでしたが、最高の形でレースキャリアを終えることができたのは嬉しい」と喜びを語った。
一方、牧場事務所でレースを見守っていた正克会長は「本当に嬉しい。競走馬というのは1勝するだけでも大変なこと。その中で、長くトップクラスで頑張ってくれました。たくさんの思い出をくれた馬ですが、菊花賞(G1)がクビ差で、最初の天皇賞(春)(G1)はハナ差でしたから2着馬に2馬身以上の差をつけて勝ってくれたジャパンカップ(G1)が1番印象に残っています」と話し「生まれたときからバランスの良い馬で、牧場時代は大きな怪我や病気とは無縁の馬でした。540キロと馬格に恵まれながらも、長い競走キャリアのなかで1度も故障しなかった丈夫さと、おっとりして素直な気性は種牡馬としても大きな武器になると思います。この馬の仔でまたターフをにぎわせてくれるような馬が出てくれることを願いたい」と早くも次のステップへ向けてエールを送っている。
この日も、ヤナガワ牧場の事務所にはレース終了後から日高町の三輪茂町長らが駆けつけて有終の美を飾った地元産の名馬の偉業をたたえ、喜びを分かち合った。