2017年10月09日 京都大賞典 G2
優勝馬:スマートレイアー
プロフィール
- 生年月日
- 2010年05月15日 07歳
- 性別/毛色
- 牝/芦毛
- 戦績
- 国内:26戦9勝
- 総収得賞金
- 479,844,000円
- 母 (母父)
- スノースタイル by ホワイトマズル(GB)
- 馬主
- 大川 徹
- 生産者
- 岡田スタツド (静内)
- 調教師
- 大久保 龍志
- 騎手
- 武 豊
10月9日、京都競馬場で行われた伝統の一戦「第52回京都大賞典(G2)」は後方で脚をためていた武豊騎手騎乗の4番人気スマートレイアーが、直線で内ラチ沿いから進出してゴールでは半馬身差をつけ優勝、昨年4月の「阪神牝馬ステークス(G2)」に続き重賞4勝目を挙げた。
スマートレイアーは父ディープインパクト、母スノースタイル、母の父ホワイトマズルという血統で、新ひだか町静内にある岡田スタッド(代表岡田牧雄氏)の生産馬。同牧場は生産から育成まで幅広く手掛け、本場の他に育成のノルマンディーファーム、繁殖の岡田スタッド分場、繁殖と育成を行うオカダスタッドを有し、日高でも有数な規模の総合牧場だ。これまでにG1馬マツリダゴッホやスマートファルコン、東京大賞典(G1)を制したサウンドトゥルーなど数々の活躍馬を送り出して来た。
同馬が生まれた時から見て来たオカダスタッド代表岡田将一さんは「前方で競馬が出来れば楽な展開になるだろうと予想していましたが、内枠だったこともあり後方の内側で我慢に我慢を重ねて脚をためていましたね。4コーナーを周った時、抜け出すのは難しいかもと思いましたが、スッと出て来られたのはコース形態を熟知したジョッキーならではのなせる業。あの乗り方は馬の能力を理解して信じていないと出来ません。それに応えて内側から間を突き抜けて鋭い脚で差す事ができたのは、スマートレイアーの芯が強くなった証拠なのかなと思います。見ている方はヒヤヒヤでしたが(笑)。」肝を冷やしたというレースに笑いを交えながら振り返ってくれた。
「今まで惜しい悔しい競馬を結構して来ましたが、内容を精査すれば、この馬の力を示すものばかり。1戦1戦を積み重ねた経験値が自力アップに繋がったという気がしています。差しも逃げも自在のオールラウンダーになって、どこからでも自分の実力を出せる精神面の強さも身に着けました。7歳になっても重賞に勝ってくれるなんてすごい馬だなと思います。頭が下がりますよ。次は念願のG1です。エリザベス女王杯(G1)にむけて距離的には同じ舞台で勝ちましたし、ジョッキーもハードルをクリアした状態、厩舎サイドは仕上げに自信を持ってやっている、オーナーサイドも手応えを感じているはずです。あとは枠順しだいでスタートを待つだけですね。」最高の舞台に立つ準備は整っている。
この血統は思い入れが深いと将一さんが教えてくれた。「生まれた時から女の子とは思えないくらい肉付きが良くムチムチした馬体でトモがでかくてお尻が大きな馬でした。幅がしっかりしていて挙動にブレが無く、力強くて芯に力が入っている動き方をしていましたね。母スノースタイル自体は小さな馬なのですが扱いやすい大人しい馬で仔出しが非常に良く骨格、体格が良い産駒が多くてみんな大きく成長して行きます。半弟のプラチナムバレットも肉付きが良かったですよ。今年もディープインパクトをつけたのでそれなりの能力を持った仔が出てくると思いますし、岡田スタッドの中では一番期待値の高い繁殖牝馬になりましたね。」曾祖母のダムスペクタキュラーをアメリカのせりで購入しフランスで出産後に日本へ持ってきたのが祖母のシャルムダンサー。その仔が母スノースタイル。いつか活躍馬が出ると信じて大切にしてきた牝系なのだ。
「スマートレイアーは無事で走れば結果がついてくると思いますので頑張ってほしいです。そして、G1の勲章をつけてお母さんになってくれたら良いなって思います。関係者にもファンの方にも可愛がってもらえる馬になってくれて嬉しい限りです。こういう馬をつくって行きたいですね。ファンもオーナーも長く競馬を楽しめるように、能力を全て出し切れる丈夫な馬をつくる事に執着したいと思います。」故郷からの温かいエールに力強く応えてくれるに違いない。