2017年08月20日 北九州記念 G3
優勝馬:ダイアナヘイロー
プロフィール
- 生年月日
- 2013年05月05日 04歳
- 性別/毛色
- 牝/黒鹿毛
- 戦績
- 国内:16戦6勝
- 総収得賞金
- 264,310,000円
- 父
- キングヘイロー
- 母 (母父)
- ヤマカツセイレーン by グラスワンダー(USA)
- 馬主
- (株) 駒秀
- 生産者
- 大西ファーム (浦河)
- 調教師
- 福島 信晴
- 騎手
- 武 豊
真夏の短距離王決定戦「第52回北九州記念(G3)」は8月20日、福岡県の小倉競馬場で行われ、浦河町の大西ファーム生産3番人気ダイアナヘイローが先行策からゴール前残り100mで抜け出して先頭ゴールイン。デビュー16戦目、2度目の重賞挑戦でグレードレースウイナーの仲間入りを果たした。
大西ファームは1964年に創業者の大西能彦さんが開業した。生産頭数は年間5頭前後。家族だけでていねいな馬づくりを実践し、その中から1984年の京都牝馬特別(G3)に優勝したカルストンダンサーや2015年の福島2歳ステークス3着アルマククナなどを送ってきた。今年はダイアナヘイローのほか、ダンシングが佐賀競馬の重賞「サイネリア賞」「遠賀川賞」を制している。
レース当日は、牧場のテレビを通して家族で応援していたそうだ。「スタートも良く、理想的なポジションでレースを進められたと思います。最後の直線で抜け出して、後続を突き離したときには勝利を意識しました」と、同ファームの大西邦彦さんが話してくれた。
さすがにゴール前は差を詰められたが「武豊騎手が手綱を取ってくれていましたし、安心してゴールを見届けることができました」。これで、同騎手とのコンビでは最下級条件から4連勝含み5勝目。今回も、クラスの壁をまったく感じさせない内容で快進撃を続けている。
牧場にとっては、約30年ぶりの重賞勝利。勝利の余韻に浸るまでもなくかかってくるお祝いの電話やメール、届けられる花などの対応に追われたそうだ。
「牧場にいたのは1歳の秋までです。ケガや病気などとは無縁の馬で、扱いも楽な馬でした」。
石川県にある育成牧場を経て栗東トレセンに入厩。3歳1月にデビューしたダイアナヘイローは新馬戦を快勝。エルフィンS(2着)フィリーズレビュー(G2)(4着)と桜花賞路線を歩むも、わずかの差で出走を逃してしまう。しかし、じっくりと立て直し、当時から20㌔以上体重を増やして、念願の重賞タイトルを手中にした。
「今、こうして思い出そうとしても、頭に浮かぶのは放牧地での元気な姿だけで、変わったエピソードらしいエピソードが出てきません。母親のヤマカツセイレーンはステイゴールドやショウナンパンドラと同じファミリーの馬らしく、かなり気の強い馬なのですが、この馬はそういった面もありませんでした」と大西さんは頭をかいた。
キングヘイローとの配合は、ヤマカツセイレーンを現在所有する馬主さんが決めたそうだ。「縁があって当牧場でお預かりすることになったのですが血統的にも期待の大きな馬です。気の強さは血統が表現されていると思いますので、心強い限り。何よりも仔出しの良い繁殖牝馬で、今年はスピルバーグの牝馬を産んでくれました。期待できる馬だと思います」というから、こちらもご期待いただきたい。
「ダイアナヘイローに関して言えば、馬主の方はもちろんですが、育ててくれた愛知ステーブルのみなさんや、福島厩舎、武豊騎手のためにも、とにかく無事にということ。生産者としては、その気持ちに尽きると思います」と静かにエールを送っている。