重賞ウィナーレポート

2017年09月10日 京成杯オータムH G3

2017年09月10日 中山競馬場 晴 良 芝 1600m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:グランシルク

プロフィール

生年月日
2012年04月08日 05歳
性別/毛色
牡/鹿毛
戦績
国内:22戦5勝
総収得賞金
204,378,000円
ステイゴールド
母 (母父)
ルシルク(USA)  by  Dynaformer(USA)
馬主
有限会社シルク
生産者
ノーザンファーム (安平)
調教師
戸田 博文
騎手
田辺 裕信

 グランシルクにとっては、これが10度目の重賞挑戦。その中には1番人気の支持を集めたNHKマイルカップ(G1)も含まれている。だが、過去の9回では勝ち運に恵まれることなく、その間には1000万下の条件に降級するなど、関係者にとってはまさに「悲願の重賞勝利」ともなった。

 「ステイゴールド産駒らしいバランスの良さがあり、動きの良さも目立っていた馬でした。管理をされる戸田先生も牧場に来られる度に『いい馬ですね』と高い評価をもらっていました」と話すのは、グランシルクの騎乗育成を手がけた、ノーザンファーム空港の高見優也厩舎長。ノーザンファーム空港へは毎週のように足を運んでいるという戸田調教師だが、その姿は以前にTV東京系列で放送されている「ウイニング競馬」の番組内でも映し出されていた。

 「自分たちとしても走る能力の高い馬だと思っていましたし、3歳戦から活躍をし出して、ニュージーランドトロフィー(G2)で2着となったときには、NHKマイルカップ(G1)でも勝ち負けの競馬ができるのではと思っていました」

 だが、このNHKマイルカップ(G1)で5着に敗れると、秋初戦の京成杯オータムハンデ(G3)では4着、富士ステークス(G3)でも6着、4歳時の東京新聞杯(G3)では10着と、古馬の壁を打ち破れないレースが続いていく。その後はオープンでも勝ちきれることができずに、降級も経験したグランシルクだったが、1000万下、1600万下と勝利して、その年の暮れには阪神カップ(G2)に出走を果たす。

 「負けたにしても惜しい競馬が続いていただけに、いつかは勝てるという気持ちはありました。前走の中京記念(G3)もいい競馬を見せてくれましたし、今回は走り慣れた中山コース、そして斤量も前走と同じ56㎏ということで、チャンスがあるのではと思っていました」

 デビューしてからこれで22戦、様々なジョッキーが騎乗してきたグランシルクであるが、この京成杯オータムハンデ(G3)では、初騎乗となる田辺裕信騎手が手綱を取った。

 「スタートも良く、いい位置で競馬をさせてくれましたし、展開が向いたとは言え、田辺騎手にこの馬の能力を引き出す騎乗をしてもらいました。勝ったときには改めて、『やはり重賞を勝てる馬だった』との実感が沸いてきました。戸田先生もずっと悔しい思いをしてきたと思いますし、今度、牧場に来られた時には、改めて喜びを分かち合えたらと思います」

 この重賞勝利で一気に一皮も二皮もむけた活躍が期待出来そうなグランシルク。今後は高見厩舎長や牧場スタッフと、戸田調教師が喜びの会話を果たす機会は更に多くなっていきそうだ。