2017年07月23日 中京記念 G3
優勝馬:ウインガニオン
プロフィール
- 生年月日
- 2012年04月08日 05歳
- 性別/毛色
- 牡/黒鹿毛
- 戦績
- 国内:22戦8勝
- 総収得賞金
- 165,011,000円
- 父
- ステイゴールド
- 母 (母父)
- チャンネルワン by ポリッシュネイビー(USA)
- 馬主
- (株) ウイン
- 生産者
- コスモヴューファーム (新冠)
- 調教師
- 西園 正都
- 騎手
- 津村 明秀
サマーマイルシリーズの第1戦に位置づけられている第65回中京記念(G3)。夏の中京開催フィナーレを飾る同レースは、5番人気のウインガニオンが最内から脚を伸ばし、重賞初挑戦で初勝利を飾った。
ウインガニオンの故郷は、ウインレーシングクラブの生産・育成拠点でもある新冠町のコスモヴューファーム。育成牧場の神楽智也場長はレース当日もいつも通り厩舎作業に追われていた。「作業をしながら合間にテレビで応援することが多いので、その日もレースを見て、作業に戻り、またレースを見てという感じでじっくり見ることはできませんでした。元々素質の高かった馬で、ここまで2連勝で来ていましたから、勝つまではいかなくても恥ずかしくないレースはしてくれるだろうと期待はしていましたよ。あとでゆっくりリプレイを見て、思った以上に強い勝ち方をしてくれたなとじわじわ嬉しさと安堵感が込み上げて来ました」と振り返った。
全兄に東海S(G2)などダート重賞3勝をあげたシルクメビウスを持つウインガニオン。2頭目の重賞ウイナーを送り出した母チャンネルワンだが、今年2歳になる牝馬、ウインソリティア(父ステイゴールド)が最後の産駒となる。
「チャンネルワンの産駒は、どの馬も小さい頃から精神的に安定していて、手がかからない印象ですね。父がステイゴールドでも、母似の性質を受け継ぐのかどっしり構えていて、ガニオンに関してもこんなにおとなしくて大丈夫かな?と心配になったほどでした」と神楽場長が話すように、2歳になって調教が進んでもパッと目立つタイプではなかったそうだ。「血統的に注目度は高く、クラブで募集するとすぐ売り切れてしまうほど人気でしたが、速い時計を出す、とか動きが抜けてる、という感じではなく、地道且つ順調にトレーニングを積んでいったと記憶しています」。
2歳秋のデビュー戦は3着。その冬骨折が判明し、再び北海道に戻って来た。「緩やかに成長していくタイプだし、いきなり新馬勝ちは無理かなと思っていましたが、これまで順調そのものだったので骨折したのは誤算でした」。なんとか巻き返しをと願う陣営の思いを背に、半年の休養を経て未勝利戦を快勝。続く自己条件戦をも制し2連勝で復活の狼煙をあげた。その後も牧場での休養を挟みながら着実に勝ち星を重ねオープン入り。重賞制覇まで上り詰めた。
サマーマイルシリーズ第1戦を勝利したことで、見えてくるのはサマーマイルチャンピオンの座だ。「帰ってくる度に体が大きく、しっかりして来ているのを跨っていて感じました。この馬らしい堅実さで、素質馬がやっと開花してくれたと嬉しく思っています。夏場はめっぽう強いので、この勢いで夏のマイル王を目指して欲しいですね」と神楽さんも期待を込める。
ガニオンとはフランス語で勝者を意味する。その名の通り、夏のマイルチャンピオンへの道を躍進して行くことだろう。