2017年07月09日 七夕賞 G3
優勝馬:ゼーヴィント
プロフィール
- 生年月日
- 2013年05月12日 04歳
- 性別/毛色
- 牡/鹿毛
- 戦績
- 国内:10戦4勝
- 総収得賞金
- 163,840,000円
- 母 (母父)
- シルキーラグーン by ブライアンズタイム(USA)
- 馬主
- 有限会社シルク
- 生産者
- ノーザンファーム (安平)
- 調教師
- 木村 哲也
- 騎手
- 戸崎 圭太
ライバルの存在は、己のレベルアップとも繋がる。七夕賞(G3)で重賞2勝目をあげたゼーヴィントにとってのライバルとは、同じ育成厩舎で管理されていた、日本ダービー馬のマカヒキとなるのだろう。ただ、2頭の成長を見守っていたノーザンファーム空港の調教スタッフである山添俊幸氏は、2頭を異なったタイプだと見ていた。
「マカヒキは気性も良く、何をやらせても優等生といった印象がありました。その一方でゼーヴィントはやんちゃな性格もあって、育成馬の中では一番手のかかる馬でしたね」
そう話して山添氏は笑うが、その一方でマカヒキと遜色ないと思えた程の高い能力を、ゼーヴィントが持ち合わせていることも感じ取っていた。
「ポテンシャルの高さという意味では、2頭は遜色なかったと思います。それだけにラジオNIKKEI賞(G3)で重賞を勝ってくれた時には、その事実が証明できたようで嬉しかったですし、この七夕賞(G3)まで3度の2着がありましたが、いつでも重賞2勝目を上げられるはずとの期待の方が大きかったですね」
この七夕賞(G3)は育成厩舎のスタッフと共に、休憩所のTVで見ていたという山添さん。脚部不安もあり、約半年ぶりのレースとなったゼーヴィントだったが、パドックではその動きに注目していたという。
「レースの1週間前に牧場に来られた木村先生は、『まだ動きが重い』と話していました。それでも追い切りの動きを見るとそんなことは感じられませんでしたし、パドックの動きなどを見ても軽さが出てきたと思えた程です」
この時、休み明けながらもゼーヴィントの馬体重は、前走のAJCC(G2)よりもマイナス4㎏の488㎏。すっかり仕上がっていた身体でレースに臨むと、最後の直線では先に抜け出したマイネルフロストを交わして、見事、1番人気の支持に応えてみせる。
「休養中に管理をしてくれたノーザンファーム天栄のスタッフ、そして、万全の状態まで仕上げてくれた木村先生や厩舎スタッフの皆さんのおかげだと思います。この場を借りてお礼を言わせていただきたいです」
好事魔多しというのか、レース後に左第1指骨剥離骨折が判明。約半年の休養と診断され、ノーザンファーム空港に戻ってくることとなった。
「重賞を勝ったばかりでしたし、その意味では残念でしたが、元々古馬になってから完成すると思っていた馬でもあり、これがいい休養となるように、しっかりと仕上げて送り出したいですね」
世代の頂点になったライバルと再び並ぶには、やはりG1タイトルが必要。パワーアップしてターフへ戻るであろう来年、ゼーヴィントの快進撃は始まろうとしている。