2017年06月06日 東海ダービー(DS2017)
優勝馬:ドリームズライン
プロフィール
- 生年月日
- 2014年02月20日 03歳
- 性別/毛色
- 牡/栗毛
- 戦績
- 国内:10戦5勝
- 総収得賞金
- 16,837,000円
- 馬主
- 杉山 忠国
- 生産者
- 新冠橋本牧場 (新冠)
- 調教師
- 川西 毅
- 騎手
- 大畑 雅章
『ダービーシリーズ2017』の第3戦「東海ダービー(名古屋)」は、ドリームズラインが単勝1.5倍の1番人気に応えて優勝。後方待機策から2週目の向う正面で早くも先行集団を捕え、最後の直線では追いすがるサンタンパを突き放して2馬身半差の快勝。5月の「駿蹄賞(名古屋)」につづき、東海地区3歳二冠目を奪取した。
ドリームズラインの生まれ故郷は、新冠町の新冠橋本牧場。1999年の1年間でダート交流重賞を5勝したスノーエンデバーや、2008年のジャパンカップダート(G1)で僅差の2着した重賞5勝馬メイショウトウコンなどの生産牧場で、現役馬ではウインガナドル(牡3歳)が先日のラジオNIKKEI賞(G3)で2着に入る健闘を見せ、秋シーズンへ向けて楽しみな存在となっている。
新冠橋本牧場の代表・橋本英之さんは、東海ダービー当日、名古屋競馬場へドリームズラインの応援に駆けつけ、愛馬がダービー馬となる瞬間を見届けたそうだ。「ダービーで生産馬が1番人気に支持されるなんてめったにないことですから、とても光栄に思うと同時に、レース前はすごく緊張しました。牧場としてもすごく期待していた馬なので、ダービー馬となってくれて本当に嬉しかったです」と、その日の心境を明かしてくれた。
ドリームズラインは、JRA1勝馬ジョディーズラインの2番仔として2014年2月に誕生。近親には、トウケイニセイ記念(水沢)や絆カップ(盛岡)を制するなど晩年は岩手競馬で活躍したヒカルジョディーや、JRAオープンクラスで活躍中の現役馬ブライトアイディア(牡7歳)などがいる牝系の出身で、父ドリームジャーニーにとっての2年目産駒。その交配理由について橋本さんは、「ジョディーズラインが大型の繁殖牝馬なので、バランスを取るために小柄な種牡馬を選びました。生まれてきたドリームズラインの出来がすごく良かったので、翌年も、翌々年もつづけてドリームジャーニーを交配したほどです」と話す。
ドリームズラインが牧場で過ごした時期については、「とにかく綺麗であか抜けた馬体をしており、気性もおとなしい方でした。当歳時にオーナーが馬を見に来られたときも素軽い動きを見せており、すぐに気に入っていただけました」と当時を振り返る。1歳になる前には杉山オーナーの牧場(明治牧場)へ移動し、順調に成長して2歳7月にJRAデビュー。芝のレースを2戦使われたが結果が出ず、名古屋競馬へ移籍することになった。「芝が合わないというよりも、当時はまだともや腰が甘くて、成長途上だったのだと思います。3歳になって新春ペガサスカップで2着したあとに3か月間休養しているのですが、そこで馬がガラリと変わったと川西調教師も言っていました」と、その成長過程についても教えてくれた。
現在、牧場にはドリームズラインの全妹(牝1歳、父ドリームジャーニー)と、今年の3月31日に生まれた半弟(牡当歳、父キンシャサノキセキ)が広い放牧地を駆けまわりながら元気に育っている。「1歳の牝馬は父のドリームジャーニーとよく似ていて、軽い動きをしています。今年生まれた当歳は父がキンシャサノキセキに変わり、ともがしっかりとしていてスピードがありそうな感じですね。両馬ともに期待しています」と妹弟を紹介。そして現2歳の全妹はローレルクラブの募集馬となっており、デビューに向けて順調に調教を積まれているそうだ。「2歳の全妹はドリームズラインとそっくりな栗毛馬で、アモーレジョディーという名前で栗東の高橋義忠厩舎からデビューする予定です。まだ残口がありますので、よろしくお願いします(笑)」とデビューを控えた全妹にも橋本さんの期待は膨らんでいる。
「丈夫に長く走ってくれる馬を育てることが牧場の目標ですので、ドリームズラインにも息長く活躍してもらいたいです」と愛馬にエールを送る橋本さん。この秋は、東海地区三冠の懸かる「岐阜金賞(笠松)」や、全国の地方3歳馬が集う「ダービーグランプリ(水沢)」など、ドリームズラインにとっての大きなステージが待ち受ける。東海ダービー馬として堂々と、夢の路線を邁進していってほしい。