2017年06月03日 鳴尾記念 G3
優勝馬:ステイインシアトル
プロフィール
- 生年月日
- 2011年01月11日 06歳
- 性別/毛色
- 牡/黒鹿毛
- 戦績
- 国内:10戦5勝
- 総収得賞金
- 114,057,000円
- 父
- ステイゴールド
- 母 (母父)
- シアトルサンセット(USA) by Belong to Me(USA)
- 馬主
- 青芝商事 (株)
- 生産者
- ノーザンファーム (安平)
- 調教師
- 池江 泰寿
- 騎手
- 武 豊
6歳の鳴尾記念(G3)で初めての重賞制覇をあげたステイインシアトル。その競走成績を紐解くと、「晩成」の言葉では片付けられない、この馬に関わってきたホースマンたちの苦難と努力の跡が見えてくる。
「育成時から重心の低い走りができており、高い能力を持っていたことも明らかでした。しかしながら脚元が弱く、入厩を前に膝の手術をしたことなどもあって、デビュー時期が遅れることになりました」とはノーザンファーム空港牧場の佐々木淳吏厩舎長。それでもデビュー戦となった2014年4月の3歳未勝利戦では、レース経験馬たちを向こうに回し1番人気に支持されると、その期待に応えて優勝。次走は京都新聞杯(G2)に出走するも、15着に敗れただけでなく、屈腱炎を発症し、約1年7か月ものの休養を余儀なくされてしまう。
「幸いなことに屈腱炎は復帰への目処が立つほどの軽度なものでした。治療も含めて、再び牧場で調整させることになりましたが、脚元の問題が無くなってからは順調に調教も消化できましたし、復帰後、順調にレースを使えているどころか、優秀な成績を残している姿を見て、やはり能力のある馬だなと再確認しました」
復帰戦こそ2着に敗れたものの、そこから500万下、1000万下と連勝。今年の2月には尼崎Sを勝利してオープン入りを果たすと、京都新聞杯(G2)以来、2度目の重賞出走となる鳴尾記念(G3)で勝利をあげた。
「個人的にも思い入れの深い馬だっただけに、感慨深い重賞勝利となりました。鞍上の武豊騎手も、この馬のペースに持ち込んでくれましたし、持ち前のスピードで押し切ってくれた姿は強いの一言でしたね」
関係者の願いを果たしてくれたとも言える重賞勝利。だからこそ、佐々木厩舎長は、その関係者への感謝を口にする。
「待っていただいたオーナーの思いに応えることができたのではないかと思いますし、池江先生や厩舎スタッフといった皆さんが、脚元のケアに十分気を使ってもらったからこそ、タイトルを掴むことができたのだと思います」
この後はサマー2000シリーズの覇者を目指して、函館記念(G3)への出走を予定。小回りの函館コースは、逃げを打つステイインシアトルに願っても無い舞台でもある。
「レース経験からして馬もまだまだ若いですし、今の充実ぶりなら、このレースだけでなく、サマー2000シリーズでもいい結果が残せるのでは無いかと思います。重賞を勝つまでに時間こそかかりましたが、その分を取り返すような走りを見せてもらいたいです」
人も馬も、苦労をしてきた経験が強さへと変わる。ステイインシアトルは今後のレースでそれを証明してくれるはずだ。