重賞ウィナーレポート

2017年04月08日 NZトロフィー G2

2017年04月08日 中山競馬場 曇 稍重 芝 1600m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:ジョーストリクトリ

プロフィール

生年月日
2014年04月17日 03歳
性別/毛色
牡/鹿毛
戦績
国内:7戦3勝
総収得賞金
111,140,000円
ジョーカプチーノ
母 (母父)
ジョーアラマート  by  キングヘイロー
馬主
上田 けい子
生産者
山際牧場 (三石)
調教師
清水 久詞
騎手
A.シュタルケ
  • ジョーストリクトリの全妹
    ジョーストリクトリの全妹
  • (画面中央)ジョーストリクトリの全妹
    (画面中央)ジョーストリクトリの全妹
  • 事務所内には所狭しとお祝いの花が
    事務所内には所狭しとお祝いの花が
  • 牧場看板
    牧場看板

   NHKマイルC(G1)への優先出走権を賭けた重要な一戦、ニュージーランドトロフィー(G2)が4月8日に中山競馬場で行われ、12番人気の伏兵ジョーストリクトリが逃げ込みを図る先行馬達を直線で捉えて優勝。初の重賞タイトルを手にするとともに、この世代が初年度となる父ジョーカプチーノにとっても嬉しい初めての産駒重賞勝ちとなった。

   本馬を生産したのは新ひだか町三石の山際牧場、現在代表を務める山際景路さんは同牧場の3代目で、奥様と2人のパートさんで約10頭の繁殖牝馬を繋養している。JRAの重賞勝利は2010年の中山記念(G2)(トーセンクラウン)以来3頭目。レース当日、自宅でジョーストリクトリの快勝劇を観戦していたという山際さんは「新馬戦は偶然東京競馬場で見ることができましたが、さすがに今回はお産時期ということもあって自宅観戦になりました。嬉しいのはもちろんですが、人気もなかったので、びっくりしていると言うのが素直な気持ちです」と事務所中を埋め尽くすお祝いの花に囲まれた中で、控え目ながら嬉しそうに当日の様子を振り返っていた。

   ジョーストリクトリの母ジョーアラマートも山際牧場の生産馬として『ジョー』の冠名で知られる上田けい子オーナーの所有馬として活躍。引退後は山際さんの牧場で繁殖入りして初年度はロージズインメイを配合、その翌年にオーナー所有のジョーカプチーノが種牡馬入りしたこともあり、配合相手として指名されたという。

   「上田オーナーとは母のジョーアラマートを買っていただいたご縁が元で、今も良いお付き合いをさせていただいています。ひとつ上の兄のジョースターライトは当歳の頃から目を惹きましたが、ジョーストリクトリは特別目立つタイプでもなく、正直言って印象が薄くて牧場時代の思い出がほとんどないんですよ(笑)。裏を返せば産まれた時から手が掛かるわけでもなく、順風満帆に育ってくれたという証拠なんですけどね」

   母ジョーアラマートは去年、ジョーストリクトリの全妹となる牝馬を産んでいる。「去年は不受胎で、今年はオーナーからのリクエストもあってヘニーヒューズを配合したのですが、またジョーカプチーノも付けてみたいですね。全妹はちょっと遅生まれなので、まだ全体的にコンパクトですが、上2頭がいずれも活躍しているだけに雰囲気はありますよ。ジョーカプチーノ産駒は頭数が少ないにも関わらず、すでにJRAで2頭のオープン馬が出ているのですから大したものだと思います」

   次走はもちろん春の3歳マイル王決定戦、NHKマイルC(G1)だ。自信のほどを山際さんに伺うと「今年の3歳マイル路線は混戦模様なので『もしかしたら』という期待がないと言えば嘘になります。今回好騎乗をしてくれたシュタルケ騎手は短期免許の期限が切れてしまうので、本番は武豊騎手に戻る予定と聞いています。まだお産も種付けも残っていますが、ちょうど谷間になりそうですしせっかくのG1、現地まで応援に行きたいですね」と忙しい合間を縫って、生産馬の晴れ舞台を見届ける意欲を見せていた。

   思えば父ジョーカプチーノも同様のローテーションで人気薄ながらNHKマイルC(G1)を快勝し、3歳マイル戦線の頂点に君臨した。数少ない初年度世代の中からいきなり親子2代の同一G1勝利という千載一遇のチャンスは間近に迫っているのかもしれない。