2017年03月19日 阪神大賞典 G2
優勝馬:サトノダイヤモンド
プロフィール
- 生年月日
- 2013年01月30日 04歳
- 性別/毛色
- 牡/鹿毛
- 戦績
- 国内:9戦7勝
- 総収得賞金
- 865,124,000円
- 母 (母父)
- マルペンサ(ARG) by Orpen(USA)
- 馬主
- 里見 治
- 生産者
- ノーザンファーム (安平)
- 調教師
- 池江 泰寿
- 騎手
- C.ルメール
昨年は菊花賞(G1)を制して、2013年世代に日本で生まれたサラブレッドの頂点に立ち、そして有馬記念(G1)では古馬も退けて、2016年の競馬を締めくくったサトノダイヤモンド。年度代表馬には選出されなかったとはいえ、この馬が日本一の競走馬に最も近い位置にいることは、誰の目にも明らかだったことだろう。
今年初戦となったのは、春の最大目標である天皇賞(春)(G1)の前哨戦と言える阪神大賞典(G2)。単勝1.1倍という圧倒的な支持が示すとおりに、勝利は絶対条件となっただけでなく、どんな勝ち方を見せてくれるかにも注目が集まる中、育成を手がけたノーザンファーム空港の佐々木淳吏厩舎長も、そのレース内容に注目をしていた。
「有馬記念(G1)以来のレースとなりますし、特に折り合い面に注目していました」
ゲートが開くと、真っ先に飛び出したのはマドリードカフェ。しかし、1週目の3、4コーナーの前ではレーヴミストラルがハナを奪い、1週目の直線ではウインスペクトルが馬群を交わして先頭に踊り出ると、そこから大逃げを打って出る。ペースも展開もハロン毎に変わっていくような、まさに激流のようなレースながらも、サトノダイヤモンドは時には流れに身を任せながら、そして機を見計らったかのように、自ら激しい濁流へと動き出していく。
「道中はハミを取るような仕草も見せましたが、全体的には折り合いも付いているように見えました。だからこそ、終いの伸びに繋がったのでしょうし、しかも余力のある勝ち方ができたことが何よりだったと思います」
レースはTVで見ていたという佐々木厩舎長だが、前走よりプラス4kgの馬体重だったのにも関わらず、その画面越しからもサトノダイヤモンドは一回り大きくなっているように見えた。
「先日、池江調教師とも話す機会がありましたが、先生も『もう一回り大きくなって、更に幅も出てきそう』と話していました。育成時から良くなるのは古馬となってからだと思っていましたし、まだまだ成長途上なのでしょう」
育成時から能力の高さを感じ取ったからこそ、その成長に合わせた育成調教を行ってきました、とも話す佐々木厩舎長。その成長曲線を右肩上がりで伸ばしてきたのがノーザンファームしがらき、そして池江厩舎であり、今日の活躍を見ても、まさに今、大器晩成が叶っていると言える。
次なる目標は天皇賞(春)(G1)だが、佐々木厩舎長はその先にあるあのレースの名も口にする。
「関係者にとっての最大目標は、10月の凱旋門賞(G1)だと思います。その意味ではこの阪神大賞典(G2)で最高のスタートが切れたと思いますし、天皇賞(春)(G1)でもより、その目標が現実となってくるようなレースを見せてもらいたいです」
天皇賞(春)(G1)には、先日の大阪杯(G1)を制したキタサンブラックだけでなく、同世代からもライバルたちが出走を表明しているが、世界一を目指すサトノダイヤモンドにとっては、再び「勝ち方」を求められるレースともなりそうだ。