2017年01月08日 フェアリーS G3
優勝馬:ライジングリーズン
プロフィール
- 生年月日
- 2014年02月27日 03歳
- 性別/毛色
- 牝/青鹿毛
- 戦績
- 国内:3戦2勝
- 総収得賞金
- 69,134,000円
- 馬主
- 岡田 牧雄
- 生産者
- 三城牧場 (門別)
- 調教師
- 奥村 武
- 騎手
- 丸田 恭介
1月8日(日)3歳牝馬重賞のフェアリーS(G3)が中山競馬場で行われ、単勝10番人気の伏兵、ライジングリーズンが後方待機からの直線勝負で大外から豪快に差し切り、嬉しい重賞初制覇を飾った。
同馬を生産したのは日高町にある三城ボクジョウ。同牧場にとっても2006年のセントライト記念(G2)を優勝したトーセンシャナオー以来となるJRA重賞勝利となった。
当日は牧場で応援していたという小川美由紀社長は開口一番に「強い勝ち方で正直びっくりしましたが、私の代になって初めての重賞勝ちということでとても嬉しかったです。私が牧場を引き継いで初めてせりに上場した世代でしたので、喜びもひとしおです」と溢れんばかりの笑顔でレース直後の様子を振り返っていた。
小川社長は元宝塚の娘役トップという異色のキャリアの持ち主。同牧場を経営していた先代で夫の小川義勝社長が亡くなられた際に日高に移住し、牧場経営を引き継ぐことになったそうで、現在は岩崎崇文取締役を中心に5名のスタッフで牧場を切り盛りしている。
「昔からサラブレッドが大好きで、主人と結婚してからもせりや競馬場にはいつも行っていたのですが、もちろん生産に関してはまったくの素人。当初は牧場を閉鎖する方向で考えていました。でも『主人が大切に育てて大きくしてきた牧場を何とか残したい』そういった思いが日増しに強くなり、周囲の反対を押し切る形で引き継ぐことになりました。最初は慣れないことも多く色々と大変でしたが、息子をはじめたくさんの方々に支えられ、助けられながらようやく牧場としていい方向に進み始めたなと考えていた矢先の優勝でしたので、これまで頑張ってきた成果を認めて頂いたご褒美だと思っています」
昨年誕生した明け1歳馬の中にはライジングリーズンの全妹にあたるブラックタイドの牝馬が産まれ、元気に同牧場で過ごしているという。「母のジョウノファミリーは去年ゴールドアリュールを受胎したのですが、残念ながら3週で流産してしまいました。シーズン終わりのことだったので、その後は無理せず今年の種付けに備えてゆっくり休ませているところです。明け2歳でサンデーレーシングさんからデビュー予定のゴールドアリュール牡馬が、育成でとても評判が良いようなので、こちらもすごく期待していて、今年種付けしようと思っていたのですが、今回の重賞勝ちでブラックタイドとどちらにしようか、とても迷っています。贅沢な悩みなんですけどね」
牧場としても久々の重賞勝ち馬を送り出し、この先の目標について小川社長に尋ねると、「サラブレッドの生産は夢を売る仕事だと考えています。これは私が昔から携わっていた芸能界とすごく似ている部分だと思っているので、これからは私にしか実現できないようなカラーをもっと出して、他の牧場とは違った個性を出してしていきたいです。主人の代はオーナーブリーダーとしてのイメージが強かったかもしれませんが、これからはオープンなマーケットブリーダーとして、皆さんにも注目していただけたらと思います。ゆくゆくは海外の大レースへの出走や、牧場として馬主にもなって競走馬を走らせていきたいですし、先のことを考えているだけでどんどん夢が膨らみますね」
3歳牝馬クラシックの第一弾、桜花賞(G1)が行われる阪神競馬場の所在地は奇しくも小川社長と縁の深い宝塚市。ライジングリーズンも3歳牝馬のトップスターを目指し、仁川の舞台で大きく羽ばたいてくれるのではないだろうか。