重賞ウィナーレポート

2017年01月05日 中山金杯 G3

2017年01月05日 中山競馬場 晴 良 芝 2000m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:ツクバアズマオー

プロフィール

生年月日
2011年01月30日 06歳
性別/毛色
牡/鹿毛
戦績
国内:27戦7勝
総収得賞金
189,208,000円
ステイゴールド
母 (母父)
ニューグランジ  by  Giant's Causeway(USA)
馬主
荻原 昭二
生産者
ノーザンファーム (安平)
調教師
尾形 充弘
騎手
吉田 豊

 6歳初戦となる中山金杯(G3)で、デビューから27戦目にして初めての重賞制覇をあげたツクバアズマオー。2歳の7月にデビューにして翌月には初勝利。その年のジュニアCでは2番人気の支持を集めたように、能力の高さは牧場での育成時から高く評価されていた。

 「育成時の印象としては、父のステイゴールドらしさが出た馬だと思いました。調教での動きからも、高い能力の片鱗も感じさせていました」とは育成を担当した、ノーザンファーム空港牧場の細田誠二厩舎長。乗り慣らしの段階では若手スタッフでも背中に跨がれるほどにおとなしかったというツクバアズマオーだったが、調教が進むにつれて、「ステイゴールドらしさ」を精神面で見せるようになってきた。

 「やんちゃさが出てくるようになってからは、厩舎でも騎乗できるスタッフが少なくなっていき、厩舎に送り出す頃には自分ともう一人のスタッフぐらいしか乗っていませんでした。それでも動きは素晴らしかったですし、デビュー後はすぐに勝ち上がって、3歳時にはオープンにいるのではと思った程です」(細田厩舎長)

 だが、人気を集めたジュニアCでも7着に敗れたように、この頃のツクバアズマオーは、気性の難しさが高い能力を阻害していた。また地下馬道のあるコースはイレ込みが激しくなる傾向が見られ、結果として中山、函館、札幌といったはなみち(グランプリロード)でのレースを選択せざるを得なかった。

 それでも、徐々にクラスを上げていくと、昨年の函館記念(G3)で3着に入着。オールカマー(G2)でも3着に入り、続くディセンバーSでオープン初勝利をあげる。この中山金杯(G3)では後方からレースを進めて行くと、溜め込んだ末脚を最後の直線で発揮して、今年のJRA最初の重賞ウイナーに輝いた。

 「6歳を迎えて、心身共に成長した結果がこの勝利に繋がった印象を受けます。このレース内容からしても、まだまだ強くなっていきそうな印象もありますし、更に大きな重賞タイトルも期待できそうです」(細田厩舎長)

 昨年、リーディングブリーダーとなったノーザンファームにとっても、この勝利が今年初めての重賞となっただけでなく、ツクバアズマオーの勝利も相成って、いきなり本年のリーディングブリーダー首位ともなった。

 「厩舎としても育成馬が金杯を勝つのは初めてのことであり、新年早々、嬉しい勝利となりました。ツクバアズマオーだけでなく、各世代ごとに楽しみな育成馬もいるだけに、この勢いに続いて欲しいです」(細田厩舎長)

 レース後、陣営からは「今年の有馬記念(G1)を目標にしたい」との言葉も聞かれたツクバアズマオー。今後の活躍は7年連続でのリーディングブリーダーを目指すノーザンファームにとって、またと無い追い風となりそうだ。