重賞ウィナーレポート

2016年11月26日 R-NIKKEI杯京都2歳S G3

2016年11月26日 京都競馬場 曇 良 芝 2000m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:カデナ

プロフィール

生年月日
2014年03月30日 02歳
性別/毛色
牡/鹿毛
戦績
国内:4戦2勝
総収得賞金
230,815,000円
ディープインパクト
母 (母父)
フレンチリヴィエラ(USA)  by  フレンチデピュティ(USA)
馬主
前田 幸治
生産者
グランド牧場 (静内)
調教師
中竹 和也
騎手
福永 祐一

 重賞競走に格上げされて3年目。オープン競走時代にはヴィクトワールピサやエピファネイアらが勝ち馬に名を連ねるラジオNIKKEI杯京都2歳S(G3)は、新ひだか町のグランド牧場が生産したカデナが最後の直線で大外一気を決めて優勝。ディープインパクトの2014年生まれ世代として最初の重賞勝ち馬となった。

 グランド牧場は1927年創業。その歴史の中で、昨年のチャンピオンズカップ(G1)優勝馬サンビスタや2005年天皇賞(春)(G1)のスズカマンボ、あるいは09、12年のNAR年度代表馬ラブミーチャンなどを生産している。

 カデナは、グランド牧場生産で09年京王杯スプリングC(G2)優勝馬スズカコーズウェイの半弟で、2014年セレクトセール当歳セッション取引馬。3,780万円(税込)で(株)ノースヒルズが落札した馬だった。

 レースを牧場事務所のテレビで観戦していたというグランド牧場の伊藤佳幸社長は「後ろからレースを進める馬の宿命と言ってしまえばそれまでですが、前が詰まって立て直してから追い込んだデビュー戦もそうでしたが、前走(百日草特別)も最後の直線で前がなかなか開かず悔しい思いをしたので、今回の勝利は嬉しいです」と目尻を下げた。

 同馬は、父ディープインパクト、母フレンチリヴィエラ(母の父フレンチデピュティ)。

 父ディープインパクトにとっては、2016年のJRA平地重賞35勝目。父サンデーサイレンスと自身が持っていた34勝を超える、平地重賞の年間最多勝記録を更新するメモリアルな1勝にもなった。

 一方、母フレンチリヴィエラは米国のサラブレッドクラブオヴアメリカS((G3)、6F)の優勝馬。ジャイアンツコーズウェイを受胎した状態で03年米国キーンランド繁殖セールに上場されて、エージェントであるNarvick Internationalによって落札。その後、日本のグランド牧場に輸入され、産駒のスズカコーズウェイは今年、種牡馬としても初年度産駒のバンドオンザランがNAR重賞競走に勝利するなど話題にもなった。

 「(カデナは)ディープインパクトの仔ですから、大きな馬ではなかったですが、バネの利いた良い動きをしていた馬で、牧場でも期待の1頭でした。自信をもってセレクトセールに上場しました」。

 その後、ノーズヒルズに移動して競走馬への道を歩み始めた。

 「ダービー(G1)を2回も勝っているようなオーナーの元で鍛えられたのが良かったのかもしれません。デビューして今日が4戦目ですが、すべてのレースで最速の上がりタイムを記録している馬。今日のようなレースができるなら、来年の春が楽しみです。無事に春を迎えてほしい」と期待に胸を膨らませている。