2016年11月03日 JBCLクラシック(中央交流) Jpn1
優勝馬:ホワイトフーガ
プロフィール
- 生年月日
- 2012年03月28日 04歳
- 性別/毛色
- 牝/芦毛
- 戦績
- 国内:16戦8勝
- 総収得賞金
- 291,415,000円
- 馬主
- 西森 鶴
- 生産者
- 梅田牧場 (荻伏)
- 調教師
- 高木 登
- 騎手
- 蛯名 正義
砂の女王決定戦「第6回JBCレディスクラシック(Jpn1)」は11月3日に神奈川県の川崎競馬場で行われ、1番人気のホワイトフーガが優勝。昨年、大井の1800mコースで行われた同レースとの連覇を達成した。道中は好位追走し、4角から抜け出すとそのまま押し切り、2着馬に1馬身半差をつけて快勝。重賞5勝目を飾った。
ホワイトフーガは父クロフネ、母マリーンウィナー、その父フジキセキという血統。同馬を生産した梅田牧場は浦河町荻伏にあり、これまでに2001年中山大障害(JG1) 3 着のミナミノゴージャスや2008年京王杯2 歳S(Jpn2)1着のゲットフルマークス等の活躍馬を輩出してきた牧場だ。
今回、夫婦揃って川崎競馬場へ応援に駆け付けたという将来の梅田牧場3代目当主梅田幹也さんは、圧倒的な人気を背負った愛馬の応援にもかかわらず、意外なほどリラックスしてレースを見守っていたそうだ。「前走のレディスプレリュード(Jpn2)で、直線で前が開いたら伸びるというレースを経験させていました。結果は負けてしまったのですが、あの経験が今回のレースで活かせるだろうという思いがありましたので、落ち着いた気持ちでこの日を迎えることができました。持病の喉が唯一心配でしたが、レース前日の雨の影響で、重馬場のままだったことなど天気も味方についてくれたようです。勝った瞬間はオーナーと握手しながら「良かった、良かった!強かったね!」と喜び合いました。ホワイトフーガには頑張ったね!と声をかけてあげたいです。」と満面の笑顔を向けてくれた。
「喉鳴りを考慮し年内は休養して年明け1月に大井のレースで使うそうです。その後のことはオーナーと調教師の先生が決めると思います。」という梅田さんにとって、今も印象に残るのはホワイトフーガ当歳時の出来事だったという。「生まれる3、4日前に母マリーンウィナーが腸捻転になって入院したため、ホワイトフーガは三石の病院の入院馬房で出産となりました。免疫が移行されていなかったので、退院後ドナーホースから血漿輸血をする治療を施したりしていたので本当に心配していましたが、治療の甲斐があって馬がガラッと変わり元気になったのでこんなに効くものかと驚きました。性格は基本大人しいのですが、自分が気に食わない事があると蹴るような気の強さを見せ始めたのもこの頃です。こういうところが将来、他の馬と並んだ時に抜かさせないような勝負根性に繋がるかもしれないという思いがあったのを覚えています。心配事が多々ありましたが今の活躍のおかげで競馬場まで応援に駆け付ける楽しみをもらっているので嬉しいですね。」
弱々しかった当歳時からは想像できないほどの変貌を遂げた愛馬の活躍に梅田さんは「生産牧場と育成所と厩舎とオーナーさんというライン全てが上手く回ると、馬はそれに応えてくれるのだということを、ホワイトフーガに教えてもらいました。このような関係は、そう簡単にできるものではありません。担当の厩務員さんとホワイトフーガがラブラブで、互いに信頼しあっている様子は写真などでもよくわかりますし、ここまで環境が整っている中で負けたのならしょうがないと思える程の安心感です。」と充実した表情。チーム一丸となって同じ方向を見つめているようだ。
素晴らしい人間関係までも作ってくれたホワイトフーガの母マリーンウィナーは今や牧場の宝のような存在。クラシックを狙えるような仔を出す繁殖牝馬が欲しいと思いジェイエス繁殖セールで見つけ購入した。おまけに人懐こくて、他の馬の子に対しても優しく子煩悩で仔出しも良いという文句の付けどころがないマリーンウィナーだが、残念なことにここ3年連続で子宝に恵まれていないそうだ。そんな中にも明るい話題が。「今年の当歳7頭全て雰囲気が良いので将来がとても楽しみです。もしかしたらホワイトフーガ世代以上に期待できるかもしれません。みんな無事にデビューして1勝し、その馬に関わる方々に愛されるような馬を創って行きたいと考えていますので、これからもホワイトフーガ共々応援して頂けたら有難いです。」故郷からの力強い後押しを受けて、益々の活躍に期待が高まる。