2016年09月04日 新潟記念 G3
優勝馬:アデイインザライフ
プロフィール
- 生年月日
- 2011年02月11日 05歳
- 性別/毛色
- 牡/鹿毛
- 戦績
- 国内:13戦6勝
- 総収得賞金
- 132,039,000円
- 馬主
- 池谷 誠一
- 生産者
- (有)社台コーポレーション白老ファーム (白老)
- 調教師
- 萩原 清
- 騎手
- 横山 典弘
白老ファーム生産馬のワンツーフィニッシュ(1着…アデイインザライフ、2着…アルバートドック)となった、今年の新潟記念(G3)。実は僅差の4着にも生産馬のベルーフが入り、生産馬のワンツースリーフィニッシュの快挙となる寸前だった。
「その事実は後で知りました。それだけ、自分自身もレースに集中していたということなのでしょうし、待ちに待った重賞制覇となりました。」と白老ファームの石垣節雄繁殖主任は笑顔を見せる。
その新潟記念(G3)だが、メイショウナルトが単騎で逃げて1000m通過が58秒5という速い流れを作り出す。大外枠からの出走となったアデイインザライフは、ベルーフと共に後方に待機して直線勝負に備える。残り2ハロンでメイショウナルトが脚色を無くすと、先行勢が仕掛けに入る。だが、それを飲み込むかのように大外を回ってゴール板に向かっていったのがアデイインザライフ。このレース、560㎏の馬体から繰り出した上がり3ハロンの時計は、メンバー中最速となる32秒7という迫力満点の末脚だった。
アデイインザライフの母となるラッシュライフは、現役時に函館2歳S(G3)で2着、ファンタジーS(G3)でも2着と芝の短距離で活躍。父サクラバクシンオーが出た馬体は、500㎏に迫る大型馬でもあった。
「アデイインザライフですが、生まれた頃から個人的に好きな馬でした。ディープインパクト産駒は品のいい馬が多いのですが、その中でも賢さを感じさせるキリッとした表情をしていたことが印象に残っています」
その頃から目を引く馬体をしていたというアデイインザライフは、その後の調教も順調に行われ、2歳の12月にメイクデビュー中山でデビュー。実はこの日は、白老ファームを代表する名馬、オルフェーヴルのラストランとなった有馬記念(G1)が行われていた。
「デビュー戦は今でも良く覚えています。後方からのレースにも関わらず、直線だけで一気に交わしさった脚を見たときには、ただ者では無いと思いました」
この日、引退したオルフェーヴルに代わる活躍も期待されるようになったアデイインザライフは、3歳時の弥生賞(G2)で3着に入って皐月賞(G1)の出走権を得るも、16着に破れている。だが、掲示板を外したのはこのレースだけであり、その後は爆発的な末脚のイメージとはまた違った堅実なレースぶりで、勝ち鞍を積み重ねていく。
「あの馬体だけに、身が入ってくるのにも時間を要したのでしょう。それだけに管理をしてくださった萩原清先生や厩舎関係者の皆さんに感謝するしかありません」
今年に入ってからは1000万下、1600万下の常総Sと勝ち星を重ね、今回は約5か月ぶりの出走。じっくりと仕上げてきただけでなく、大型馬だけに脚元の様子も見ながらレースに使ってきた陣営の慎重さがうかがえる。
「この馬体重で芝の中距離重賞を勝てる馬もそうはいないでしょう。やはりレース後は脚元のことが気になってしまいますが、競走馬として完成を迎えたからこそ、これだけのレースができたと思いますし、今後はより大きなタイトルを期待したくなります」
ちなみに2着に入ったアルバートドックは、七夕賞(G3)の勝利の10ポイントに、5ポイントが加算され、サマー2000シリーズのチャンピオンに輝いている。
「アルバートドックも58㎏の斤量にも関わらず、強いレースを見せてくれました。2頭共に、いや、ベルーフも加えた3頭共に、この秋はG1戦線を沸かせてもらいたいですね」
もし、この3頭が次にそろい踏みしたその時は、白老ファーム生産馬の「ワンツースリーフィニッシュ」が現実となるのかもしれない。