重賞ウィナーレポート

2016年08月07日 レパードS G3

2016年08月07日 新潟競馬場 晴 良 ダ 1800m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:グレンツェント

プロフィール

生年月日
2013年04月08日 03歳
性別/毛色
牡/鹿毛
戦績
国内:7戦4勝
総収得賞金
297,618,000円
ネオユニヴァース
母 (母父)
ボシンシェ(USA)  by  Kingmambo(USA)
馬主
有限会社シルク
生産者
ノーザンファーム (安平)
調教師
加藤 征弘
騎手
戸崎 圭太

 「馬が合う」ならぬ、「ダートが合う」というのは、まさにグレンツェントのことを言うのだろう。

 昨年8月、芝1800mで行われたメイクデビュー新潟では5着に破れているものの、以降はダートに戦いの場を移し、一度も複勝圏を外さない完璧なレースぶり。適性を見抜いた加藤征弘調教師や、関係者の眼力も恐れいるところだが、実は騎乗育成を行ってきたノーザンファーム早来牧場の森下政治育成厩舎長も、グレンツェントが高いダート適性を持っていることを感じ取っていた。

 「こちらにいた頃から馬っぷりの良さでは目を引いていました。動きも良く、パワーを前面に押し出した走りをしていたので、芝よりもダートが上手なのではと思っていました」

 ある日、森下厩舎長はその考えを育成厩舎のスタッフに告げると、実際に騎乗したことのあるスタッフからも同様の言葉が返ってきたという。順調に調教を重ねたどころか、昨年の4月には、所属先であるシルク・ホースクラブのツアーでも展示された程に、完成度も際立っていたというグレンツェント。その意味でも「優等生な馬でした」と森下厩舎長は話す。

 初の重賞挑戦となったのは、前走のユニコーンS(G3)。ここでは後方から上がり最速の末脚で追い込むも、最後の直線でマッチレースを行っていたゴールドドリームとストロングバローズを捕らえることができず、3着に敗れている。

 その時の勝ち馬となったゴールドドリームは、続くジャパンダートダービー(Jpn1)で3着。2着となったケイティブレイブが出走したこのレパードS(G3)は、この世代の3歳ダート界の力量を測るに、格好のレースとなった。

 そのジャパンダートダービー(Jpn1)と同様に、このレパードS(G3)でも先手を奪ったケイティブレイブは、セーフティーリードを保ったまま最後の直線へと入っていく。逃げ切り濃厚と思われた中、後続勢から唯一追い込んできたのがグレンツェント。一完歩、一完歩ごとにケイティブレイブとの差を縮め、最後は計ったかのようにクビ差捕らえてみせた。

 「最後の直線では逃げ切られたかなと思いました。それを差しきってくれたわけですから、たいした馬だと思います。鞍上の戸崎騎手、そして管理をしてくださった加藤厩舎の皆さんに感謝したいです」

 この勝利で3歳ダート界では紛れもないトップホースであることを証明したグレンツェント。しかも、レパードS(G3)は出世レースとしても知られており、勝ち馬の中には、G1/Jpn1最多勝記録を更新し続けるホッコータルマエや、ジャパンカップダート(G1)を連覇し、ドバイワールドカップ(G1)でも2着となった、トランセンドの名前もある。

 「今後は古馬との戦いともなっていくと思いますが、力も付けていますし、勢いもあるだけに、ダート重賞戦線を賑わしてもらいたいですね」そう話した森下厩舎長は、

 「今後のG1レースで、モーニンと勝負する姿が見たいですね」と笑顔を浮かべる。そのモーニンもまた、森下厩舎の育成馬であり、今年のフェブラリーS(G1)の勝ち馬。今年の秋、G1の舞台で森下厩舎長の願いは叶いそうであり、その時には育成馬同士のワンツーフィニッシュも十分に考えられそうだ。