2016年07月24日 中京記念 G3
優勝馬:ガリバルディ
プロフィール
- 生年月日
- 2011年02月07日 05歳
- 性別/毛色
- 牡/鹿毛
- 戦績
- 国内:16戦6勝
- 総収得賞金
- 169,027,000円
- 母 (母父)
- シェンク(GB) by Zafonic(USA)
- 馬主
- (有) 社台レースホース
- 生産者
- 社台ファーム (千歳)
- 調教師
- 藤原 英昭
- 騎手
- 福永 祐一
デビュー前から注目を集め、2歳8月のメイクデビュー新潟から、3戦続けて単勝一倍台という圧倒的な人気を集めていたガリバルディ。次の年のクラシック候補としての評価も高く、実際にデビュー戦から3戦続けて鞍上を務めた福永祐一騎手からは、「来年のダービー候補」との言葉も聞かれていた。
「父(ディープインパクト)の産駒としては骨太で、かつフレームも大きな印象もありました。やや頭が突っ込み気味に走る面もあり、身体を起こしながら負荷を掛けていくようにと、騎乗馴致を開始した頃から、藤原英昭調教師より指示をされていました」と話すのは社台ファームの山本哲也厩舎長。その山本厩舎長も育成時から期待をかけていたガリバルディであったが、クラシック出走を前に取りこぼすレースも多く、ダービー(G1)出走をかけて臨んだ京都新聞杯(G2)では、メンバー中上がり最速の脚(34秒5)を繰り出しながらも3着に破れ、関係者の夢は潰えることとなった。
「骨格からすると、競走馬として完成した姿で500㎏ぐらいの馬体重を想定していました。それでも2歳の秋から3歳の春にかけては馬体重の増減も激しかったように、この頃はまだ中身ができていなかったのかもしれません。それでも4歳を迎えてから、ようやく馬体重も500㎏前後の数字をキープするようになり、それに従ってレースぶりも安定してきました」
その4歳時には休養を挟みながら3連勝でオープン入り。この3勝は芝の1600mから1800mであげたものだが、切れ味鋭い末脚はデイリー杯2歳S(G2)と関屋記念(G3)の勝ち馬マルカシェンク、そして京成杯オータムH(G3)を勝利し、牝馬重賞でも活躍を続けたザレマといった兄姉を彷彿とさせるもの。ガリバルディが母シェンク(伊1000ギニー(G2))から受け継がれた高いスピード能力を発揮するためには、競走馬として熟成させる時間が必要だったのだろう。
この中京記念(G3)では、オープン入り後、3戦連続での5着に敗戦もあって7番人気まで評価を落としていたガリバルディ。ゲートが開くと後方に待機し、最後の直線では外に進路を取ると、そこからメンバー中最速の上がり33秒6の末脚を繰り出していく。ゴール前では先に抜け出していた、同じ社台ファーム生産馬であるピークトラムの姿があったが、並ぶ間もなく鮮やかに差しきって見せる。
「今後の更なる活躍が楽しみになる勝利であり、また、更なる大きなタイトルも期待したくなる鮮やかな末脚でした」
鞍上を務めた福永騎手は、この日、7レースからこの中京記念(G3)の行われた11レースまでで、騎乗機会4連勝を達成。コンビ復活は昨年1月の逢坂山特別(1000万下)以来となるが、「決め打ちをして、はまりました」と語っていたように、自信溢れる騎乗もまた、この勝利へ導いたと言える。
「5歳夏での初重賞制覇と、やや遅咲きの印象となりました。ここまで我慢して待ってくだった会員さん、そしてデビュー時から期待をしてくれていた福永騎手、何よりも大事に馬を作ってくださった、藤原厩舎の皆さんに御礼申し上げたいと思います」と山本厩舎長。完成した今の姿なら、この血統悲願のG1タイトル制覇も決して夢では無さそうだ。