重賞ウィナーレポート

2016年06月05日 安田記念 G1

2016年06月05日 東京競馬場 晴 良 芝 1600m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:ロゴタイプ

プロフィール

生年月日
2010年03月10日 06歳
性別/毛色
牡/黒鹿毛
戦績
国内:24戦6勝
総収得賞金
583,011,000円
ローエングリン
母 (母父)
ステレオタイプ  by  サンデーサイレンス(USA)
馬主
吉田 照哉
生産者
社台ファーム (千歳)
調教師
田中 剛
騎手
田辺 裕信

 なんと2013年の皐月賞(G1)以来、3年2か月ぶりのG1勝利。だが、その間にも重賞で3度の2着、そして2度の3着があったように、決してロゴタイプの能力は衰えてはいなかった。

 「ダービー卿ChT(G3)では、これまでに無かったようなハードな追い切りを課して臨んだことで、何かしらのきっかけを掴んだのかもしれません」と話すのは、社台ファーム調教主任の東礼治郎氏。確かにそのダービー卿ChT(G3)での追い切りは、終いを重点に追ったという意欲的な内容。しかし、この安田記念(G1)では、前の週に意欲的な調教を行ったこともあったが、前走とは一転してソフトな追い切りとなった。

 「普通なら調教も含めて、好走時のパターンを踏襲したはずです。でも、そうしなかったのは、ロゴタイプを知り尽くしている、田中剛厩舎の皆さんだからこそできた采配ですし、それはとても勇気のいる作業だったのではないのでしょうか」

 そして東調教主任はこの奇跡の勝利に際して、もう一人のホースマンへ感謝の言葉を口にした。 

 「今回の勝利は田辺騎手の好騎乗に尽きると思います。思い切った騎乗、その後の折り合いも含めて、素晴らしいレースを見せてくれました」

 戦前から先行馬不在とも言われていたレースで、他の11頭を引き連れて先頭に立ったのは、札幌2歳S(G3)以来の逃げを打ったロゴタイプだった。1000m通過は59秒1。前日の夜に降った雨が多少影響する馬場、そしてG1レースとしてはまずまずの流れと言えたが、プレッシャーもかけられずに淡々としたラップを刻んだ時から、勝負は決まっていたのかもしれない。

 セーフティーリードを保ったまま最後の直線に向かったロゴタイプに、マークしていたモーリスが襲いかかる。だが、結果は1馬身4分の1差を付けての快勝。昨年年度代表馬で、しかも世界にもその名を轟かした名マイラーを押さえての勝利は、ロゴタイプの名も世界にアピールしたとも言える。

 「これだけのレースが出来る状態に仕上げてくれたのも、厩舎スタッフの皆さんの柔軟な考えがあってこそだと思います。まさにチーム一丸の勝利と言えるでしょう」

 自分自身、これからの馬作りに際して、大きな刺激ともなりました、とも話す東調教主任。社台ファームにとってもロゴタイプの復活は、今後の生産馬だけでなく、そこで働くスタッフたちにも、更なる活力を与えたと言えそうだ。