2016年04月24日 留守杯日高賞(GDJ)
優勝馬:サプライズハッピー
プロフィール
- 生年月日
- 2013年02月26日 03歳
- 性別/毛色
- 牝/栗毛
- 戦績
- 国内:11戦4勝
- 総収得賞金
- 15,742,000円
- 母 (母父)
- ハナマル by アフリート(CAN)
- 馬主
- 西村 專次
- 生産者
- 二風谷ファーム (平取)
- 調教師
- 櫻田 康二
- 騎手
- 山本 聡哉
『グランダム・ジャパン2016』3歳シーズンの第6戦は、水沢競馬場1600mが舞台の「留守杯日高賞」。ゴール板で4頭が横一線に並ぶ大接戦となったが、アタマ差で先頭ゴールを果たしたのは2番人気のサプライズハッピー。昨年の岩手競馬アワードで、2歳馬にして「最優秀牝馬」に選出された貫禄を示し、ビギナーズカップ、プリンセスカップにつづく重賞3勝目を飾った。
サプライズハッピーの生まれ故郷は、平取町の二風谷ファーム。牧場に関する情報や、幼少期に関する話は昨年のプリンセスカップ優勝後のレポートをご参考いただくとして、今回は二風谷ファーム代表の稲原昌幸さんに、レースの感想と生まれたばかりの半妹についてお話を伺ってきた。
「実は留守杯日高賞の3日前、サプライズハッピーを管理していただいていた櫻田浩三調教師が亡くなられたんです。オーナーの西村專次さんと櫻田浩三先生は、西村さんが馬主になられた当時からの長いお付き合いで、サプライズハッピーに関しても当初は中央競馬でデビューする計画もあったのですが、櫻田浩三先生から『こういう馬をやってみたい』という申し出があり、岩手競馬でデビューするに至った経緯があるんです。それだけに、今回のレースは何としても勝ってほしかった。最後、アタマ差だけ先着できたのは、天国からの後押しがあったように感じています」と感慨深くレースを振り返る稲原さん。「血統的にはまだまだ上を目指せるだけの素質があると思いますので、櫻田浩三先生のためにも岩手で頑張ってほしいですね」と話してくれた。
昨年12月、プリンセスカップに優勝した直後に牧場を訪ねた際には、母のハナマルはタイキシャトルの仔をお腹に宿した状態だったが、今回、ハナマルの写真を撮りに放牧地へ行くと、生まれたばかりの当歳馬がピッタリと母に寄り添っていた.「サプライズハッピーが留守杯日高賞を勝った日の夜、元気な牡馬を出産しました。ハナマルの産駒はこの当歳馬で9頭目ですが、すべて父馬が違うんです。自身にサンデーサイレンスの血が入っていないので、どんな種牡馬でも配合できるのですが、牝馬が生まれてのちに繁殖入りした場合のことを考えると、サンデー系の種牡馬ではない方が可能性が広がると考えまして…。とは言いながら、今年はゼンノロブロイを交配したんですけどね(笑)」と笑顔を見せる。
サプライズハッピーの1歳下にはヨハネスブルグ産駒の牡馬がいて、昨年のセレクションセールに上場されて1782万円の高額で落札され、スズカブルグの馬名で中央競馬(栗東・藤沢則雄厩舎)からデビューを予定している。その下(現1歳)は父バトルプランの牝馬で、他の1歳馬たちと二風谷ファームの放牧地を元気いっぱいに駆けまわっている。「サプライズハッピーの姉ハッピーサークル(父キンシャサノキセキ)も中央競馬でデビュー勝ちを収めていますし、これからデビューを迎える弟妹たちも、どんな風に成長していってくれるか楽しみです」と、稲原さんも未来に夢を膨らませている。
気になるサプライズハッピーの次走は、6月6日(月)の「岩手ダービーダイヤモンドカップ」に登録があり、牡馬を相手に岩手3歳馬の頂点をめざすこととなりそうだ。「昨年の最優秀牝馬に選んでいただいたほどの馬ですから、同世代相手なら勝ち負けできると思います」と期待する稲原さん。大舞台で本来の力を存分に発揮し、天国の櫻田浩三調教師に最高の栄誉を届けてほしい。