重賞ウィナーレポート

2016年05月22日 オークス G1

2016年05月22日 東京競馬場 晴 良 芝 2400m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:シンハライト

プロフィール

生年月日
2013年04月11日 03歳
性別/毛色
牝/黒鹿毛
戦績
国内:5戦4勝
総収得賞金
286,426,000円
ディープインパクト
母 (母父)
シンハリーズ(GB)  by  Singspiel(IRE)
馬主
(有) キャロットファーム
生産者
ノーザンファーム (安平)
調教師
石坂 正
騎手
池添 謙一

 ノーザンファーム生産馬だけで、18頭中8頭が出走した今年のオークス(G1)。結果はそのノーザンファーム生産馬のワン、ツー、スリー、フォーフィニッシュという圧巻の成績となった。

 ノーザンファームには早来牧場、空港牧場と2つの育成拠点があるが、今回のオークス(G1)でその割合を調べていくと、早来牧場の育成馬が6頭、空港牧場の育成馬が2頭となる。実は勝ったシンハライトの育成を手がけていたのが、早来牧場の日下厩舎であり、しかも日下厩舎では2着のチェッキーノ、そして4着のジェラシーの育成も行っていた。

 「このオークスではアドマイヤリード(15着)の育成もさせていただきました。昨年のオークス(G1)でもノーザンファーム生産馬は1着から4着に入着することができましたが、その中に早来牧場の育成馬はいなかっただけに、この3歳世代は何とかしようと思っていた中で、育成馬が優秀な成績を残してくれたことはとても嬉しかったです」とは日下和博調教主任。昨年の秋、厩舎長から調教主任として早来牧場の牝馬を全て管轄することになった日下調教主任にとって、シンハライトといった現3歳世代が、直接、接してきた最後の世代ともなる。

 前走の桜花賞(G1)ではデビュー4戦目にして初めて土が付いたものの、それでも2着と高い能力を証明したシンハライトは、このレースで一番人気の支持を集めた。

 「桜花賞馬も2歳女王も出ていなかったレースだけに、高い評価を受けると思っていました。それだけにファンの皆さんの期待や声援に応えるようなレースを、シンハライトには見せて欲しいと願っていました」

 1000m通過が59秒8と平均ペースで流れる中、シンハライトは後方からレースを進めていく。第4コーナーをすぎて馬群が一気に密集したとき、シンハライトはその集団の中にいた。

 「最後の直線に向いたときには一瞬、駄目かな?と思いました。それでも馬群を割って伸びてきたのは、これまで強いメンバーと競馬をしてきた経験が生きたのでしょう」

 狭い進路を一瞬の脚で抜け出し、一気に進路が開けてからがシンハライトの真骨頂だった。先に抜け出したビッシュを交わしていくと、後方から迫ってきたチェッキーノの追撃をクビ差振り切ってのゴール。この世代の牝馬随一と言える速さと強さを、僅か一ハロンで証明した。

 「高い能力を証明し続けていた馬だけに、ようやくG1タイトルを手にできたという感慨があります。2着に破れたとはいえ、チェッキーノもG1級の能力を持ち合わせていることを証明してくれましたし、ジェラシーやアドマイヤリードもまた、今後、牝馬の重賞戦線を沸かせてくれる馬になってくれそうです」

 日下厩舎にとって、育成馬でのG1レースにおけるワンツーフィニッシュは、2011年の阪神ジュベナイルF(G1)(1着ジョワドヴィーヴル、2着アイムユアーズ)以来となる。

 「勿論、クラシックでは初めてのことでしたし、改めて2頭の関係者の皆さんに感謝したいです。また、これだけの生産馬たちをオークス(G1)に出走させられたことは、ノーザンファームのスタッフとして誇らしいと思いますし、今後も早来牧場、空港牧場共に競い合い、そして力を合わせながら、一頭でも多くの馬をG1の舞台へと送り出していきたいです」。