重賞ウィナーレポート

2016年04月30日 青葉賞 G2

2016年04月30日 東京競馬場 晴 良 芝 2400m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:ヴァンキッシュラン

プロフィール

生年月日
2013年03月18日 03歳
性別/毛色
牡/黒鹿毛
戦績
国内:7戦3勝
総収得賞金
79,183,000円
ディープインパクト
母 (母父)
リリーオブザヴァレー(FR)  by  Galileo(IRE)
馬主
島川 隆哉
生産者
社台ファーム (千歳)
調教師
角居 勝彦
騎手
内田 博幸

   2013年のセレクトセール当歳セッションでは、その日、3番目の取引額となる1億9,000万円(税抜き)で、島川隆哉氏が落札。父はリーディングサイアーのディープインパクト。母リリーオブザヴァレーはオペラ賞(G1)を勝利という血統も相まって、リリーオブザヴァレーの13こと後のヴァンキッシュランは、デビュー前から多大なる注目を集めていく。

   「この血統、しかもセールでは高い評価をいただいたことで、我々も期する思いはありました。島川オーナーや、周りの関係者の皆さんからは、デビューまでの期間に特に何も言われませんでしたが、むしろそれが、無言のプレッシャーなのではと思ったことさえあります(笑)」とは、社台ファームの東礼治郎調教主任。育成時のヴァンキッシュランは、沈むとも言われるディープインパクト産駒の割には姿勢が高めであり、歩きにも産駒には珍しい堅さも見られたという。

   「それでも調教では飛ぶような走りを見せていたので、大事に作っていけば絶対良くなると思ってました。実際に実戦を重ねながら、強さに磨きが掛かってきた印象を受けますし、登り調子でダービーに挑めるのは嬉しい限りです」

   ヴァンキッシュランのデビューは2歳7月のメイクデビュー函館。近年の日本ダービー出走馬としては珍しいローテーションとも言えるが、それだけ順調に調教が進み、そして連戦を重ねても丈夫さを保ち続けただけでなく、東調教主任が話すとおりに強さに磨きをかけてきた証明とも言えるのだろう。

   「島川オーナーには『運がないだけで実力はあるんです』と言い続けてきましたが、ようやくオーナーも信じてもらえたのでは?と思っています(笑)。勝ってその事実を証明してくれた内田(博幸)騎手、角居厩舎の皆さんにも御礼を言いたいです」

   本来なら前走(アザレア賞)でも手綱を取ったM・デムーロ騎手が、この青葉賞(G2)でも引き続き、騎乗をする予定だったが、騎乗停止もあって内田騎手に乗り代わり。しかし、日本ダービー(G1)と同条件で完璧な騎乗を見せたことからしても、本番でもこのコンビは楽しみになってくる。

   「馬場もこの馬の末脚を引き出すには最良の条件と言えましたし、流れも含めて勝つために必要な要素がこの青葉賞(G2)では揃っていたとも思います。ファンの皆様からも多くの支持をいただけましたが、ダービー(G1)でもご声援をよろしくお願いします」

   まだ日本ダービー(G1)勝ち馬が現れていない青葉賞(G2)出走組だが、固定観念を取り払うような強さを見せるヴァンキッシュランなら、その歴史に終止符を打ってくれるのかもしれない。