2016年04月09日 阪神牝馬S G2
優勝馬:スマートレイアー
プロフィール
- 生年月日
- 2010年05月15日 06歳
- 性別/毛色
- 牝/芦毛
- 戦績
- 国内:20戦8勝
- 総収得賞金
- 479,844,000円
- 母 (母父)
- スノースタイル by ホワイトマズル(GB)
- 馬主
- 大川 徹
- 生産者
- 岡田スタツド (静内)
- 調教師
- 大久保 龍志
- 騎手
- M.デムーロ
本年より距離が1600mに変更され、ヴィクトリアマイル(G1)への前哨戦としての色がますます濃くなった阪神牝馬ステークス(G2)は、2番人気のスマートレイアーが逃げ切り優勝。重賞3勝目となった。前走の東京新聞杯(G3)より転じた逃げる戦法でレースを運ぶと、直線追い込んできた1番人気のミッキークイーンをクビ差抑え、重賞連勝とした。
スマートレイアーを生産したのは新ひだか町の岡田スタッド。マツリダゴッホやスマートファルコン、サウンドトゥルーなど数々の活躍馬を送り出してきた。グループとしては、新ひだか町の岡田スタッド、日高町のオカダスタッド、新ひだか町と福島県にノルマンディーファームを所有しており、繁殖馬の数は全体で140頭程にも及ぶ。
本馬の幼少期を見てきたオカダスタッド代表の岡田将一さんは、レースを事務所のテレビで見ていた。「オーナーも大変喜んでくれましたし、良かったです。この馬に関してはどれだけ自分の競馬ができるかだけだと思っていました。」と喜びの声を聞かせてくれた。それまで追い込むレースをしていた本馬だが、前走の東京新聞杯(G3)からは逃げて他馬をねじ伏せる強い競馬をして魅せた。「この前のようにテンの脚でハナに立てればいいなぁと思っていました。ハナにいけば、相手に惑わされることもないので、この馬らしさが出せる。レースもつくれるようになり、安定感が出てきましたね。高いパフォーマンスを見せられたと思います。」とレースを振り返った。
牧場では今年、スマートレイアーの全妹が誕生した。バランスのとれたラインの美しい仔で、母のスノースタイルが2月3日に出産した。母系の血統について将一さんは「いつか走る仔を出すだろうという信念が形になった」と話す。導入した曾祖母のダムスペクタキュラーがフランスで出産し、後に日本へ持ってきたのが祖母のシャルムダンサー。その仔が母馬スノースタイルとなる。現役時代はそのスピード能力でJRA500万特別とホッカイドウ競馬でのデビュー戦を勝ち、3勝している。スノースタイルは、自身はコンパクトな体型をしているが、産駒は総じて大きく産まれるそうだ。スマートレイアーはその中でも産まれた時からお尻が大きくボリューム感たっぷりの素晴らしい体型をしていたので、将一さんはよく覚えているという。一方、血統的に成長が遅い傾向にあるともいい、「よく我慢してくれたと思います」とスマートレイアー関係者への感謝を口にした。
「ファンがあっての我々だから。」と、将一さんの話す言葉からは競馬ファンを大切にする姿勢が度々伺える。レースの馬のパフォーマンスに魅せられるファン、その馬を応援してくれるファン。毎度走るごとに人の想いが繋がっていく。「ある程度になると人を魅了できる馬になることが要求されてきます。そういう意味で馬のオーナーにとってもファンにとっても、良い馬というのは『何度もレースに出られる馬』だと思います」と将一さんは考える。だから丈夫な馬をつくる必要がある。毎年様々なチャレンジをしながら強い馬づくりを目指しているそうだ。
スマートレイアーの次走は、3度目の挑戦となるヴィクトリアマイル(G1)を予定。将一さんは、大舞台のその光景が浮かんでいるかのような眼差しで「後悔のないような自分の競馬をしてほしいと思います。みんなが楽しめるレースをしてくれたらいいですね。」とエールを送った。