重賞ウィナーレポート

2016年03月05日 チューリップ賞 G3

2016年03月05日 阪神競馬場 晴 良 芝 1600m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:シンハライト

プロフィール

生年月日
2013年04月11日 03歳
性別/毛色
牝/黒鹿毛
戦績
国内:3戦3勝
総収得賞金
286,426,000円
ディープインパクト
母 (母父)
シンハリーズ(GB)  by  Singspiel(IRE)
馬主
(有) キャロットファーム
生産者
ノーザンファーム (安平)
調教師
石坂 正
騎手
池添 謙一

 桜花賞(G1)に最も近いトライアルでもあるチューリップ賞(G3)を制したのは、全兄にアダムスピーク、半姉にこのチューリップ賞(G3)で3着にも入ったリラヴァティの名前もあるシンハライト。無傷の3連勝で桜花賞(G1)に臨むこととなったが、育成を手がけたノーザンファーム早来牧場の日下和博調教主任にとっては、感慨深い重賞タイトルともなった。

 「育成厩舎に来た頃は、馬体重が400㎏あるかないかという程の小柄な馬でした。騎乗調教を行っていく際にも馬体の成長を促すべく、春先までは休みも入れながら進めて行きました」(日下調教主任)

 この時期に無理をさせなかったことが、その後の成長へと繋がっていく。2歳の夏、ゲート試験のために函館競馬場へと移動したシンハライトは、再びノーザンファーム早来牧場へと戻り、調教を再開。この頃になると小柄だった馬体にも、競走馬らしい筋肉を身にまとうようになり、また動きもディープインパクト牝馬らしい、活発な動きを見せるようになっていた。

 その後、ノーザンファームしがらきでの調整も行われたシンハライトだが、ここで入厩までの期間、更にパワーアップを図られる。デビューは2歳10月のメイクデビュー京都となったが、このレースを快勝すると、続く年明けの紅梅Sも勝利する。

 「紅梅Sよりも、今回(チューリップ賞(G3))の方が状態も上向きだと聞いていたので、楽しみはありました。レースはテレビで見ていたのですが、ゴールの瞬間は届いていないのではと思っていただけに、掲示板を見たときにはホッとしました」(日下調教主任)

 このチューリップ賞(G3)で計時された勝ちタイムの1分32秒8は、あのウオッカの1分33秒7を大幅に塗り替えるレースレコード。時計的には十分にG1級の能力を持っていることを、デビューから僅か3戦で証明してみせた。

 「それでも、ようやくこの牝馬クラシック戦線では、挑戦者となる場所に立たせてもらったという気もしています。この馬自身、まだまだ完成仕切ってはいないと思いますし、距離もマイルより延びても対応できると思っているだけに、今後の活躍も更に楽しみになってきます」(日下調教主任)

 ここで賞金を得たことにより、牝馬三冠全てに出走できるのが何より嬉しいですね、とも話す日下調教主任。桜花賞(G1)を制した暁には、その成長力も相まって、一気に牝馬三冠馬ともなってしまうのかもしれない。