2015年12月20日 朝日杯フューチュリティS G1
優勝馬:リオンディーズ
プロフィール
- 生年月日
- 2013年01月29日 02歳
- 性別/毛色
- 牡/黒鹿毛
- 戦績
- 国内:2戦2勝
- 総収得賞金
- 130,406,000円
- 馬主
- (有) キャロットファーム
- 生産者
- ノーザンファーム (安平)
- 調教師
- 角居 勝彦
- 騎手
- M.デムーロ
朝日杯FS(G1)までの戦歴は、メイクデビューを勝ったのみの1戦1勝。前身の朝日杯2歳Sがグレード制となった1984年以降では初めての快挙であり、しかも朝日杯FS(G1)となって以降は、3着以内に入った馬さえいない。
しかし、ファンはリオンディーズを2番人気に支持した。それは母シーザリオ、そして兄エピファネイアというスター性に溢れた血統背景。そして、そのメイクデビューで見せた圧倒的なパフォーマンスに、データを打ち破るだけの魅力を感じたのだろう。
兄エピファネイアと同じノーザンファームで産まれたリオンディーズは、育成先もまた、兄を手がけたノーザンファーム早来牧場の森下厩舎で管理されてきた。
「こちらにいた頃の印象としては兄よりもおとなしく、人の手を煩わせるようなことは何もしない馬でした。牧場では速い時計を出すまでの調教は行っていなかっただけに、メイクデビューでの走りを見てびっくりしました」と森下政治厩舎長も、手綱を持ったままで先頭に立った、メイクデビューのパフォーマンスを見て驚いた1人だった。それだけに期待をしながら見ていた朝日杯FS(G1)。森下厩舎長のレースプランでは、4、5番手でレースを進めていけば、十分に勝ち負けになるとの期待があった。
しかしゲートが開くと、リオンディーズは馬群の最後方を進んでいく。折り合いこそ付いているとはいえ、1000m通過が1分フラットという平均ペースでは絶望的とも言える位置取りにも思えた。
「4コーナーでも最後方に位置していた時には、無理かなと思いました」と話す森下厩舎長。しかし、そこからリオンディーズは一気に末脚を爆発させていく。上がり3ハロンはメンバー中唯一の33秒台である33秒3。1頭、また1頭と前を行く14頭を交わしていったリオンディーズは、ついに先に馬群から抜けだした、1番人気のエアスピネルも交わし去ってしまう。
「もの凄い馬だなと、改めて思いました。次元の違う競馬をしたといった感じです。マイルの競馬をしたとも思えませんし、あの折り合いからしても、距離の不安も全く感じられません」(森下厩舎長)
再びノーザンファーム、そしてエピファネイアを手がけた森下厩舎から現れたスーパーホース。クラシック最後の一冠である菊花賞(G1)を制し、次の年にはジャパンC(G1)を勝利して、世界にその名を轟かせた兄との比較はまだ早いかもしれないが、リオンディーズがその兄よりも早くG1を勝ったのは紛れもない事実である。
「間違いなくスターホースになれる馬だと思います。今年のクラシック戦線では主役になる馬だと思いますし、自分としても次のレースが楽しみでなりません」と森下厩舎長。名うてのホースマンでさえ、底知れない能力を持っていると認めるリオンディーズは、まさに人知を超えたスターホースとなってくれそうだ。