重賞ウィナーレポート

2015年11月28日 R-NIKKEI杯京都2歳S G3

2015年11月28日 京都競馬場 晴 良 芝 2000m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:ドレッドノータス

プロフィール

生年月日
2013年03月09日 02歳
性別/毛色
牡/栗毛
戦績
国内:2戦2勝
総収得賞金
211,325,000円
馬主
(有) キャロットファーム
生産者
ノーザンファーム (安平)
調教師
矢作 芳人
騎手
武 豊

 半兄のディアデルレイ、サンマルティンの育成調教も行ってきたノーザンファーム空港牧場。だが、育成スタッフの足立稔氏にとって、この血統に携わるのはドレッドノータスが初めてだったという。

 「兄を手がけていたスタッフと話をしたこともあったのですが、そのスタッフは馬体を見て、『兄よりも小柄に出ているかもしれない』と話していました」(足立氏)

 母は重賞3勝馬のディアデラノビア、そして半姉もまた重賞を3勝し、愛知杯(G3)では母仔制覇を果たしたディアデラマドレという血統背景を持つドレッドノータスではあったが、足立氏は兄弟のイメージとは重ね合わせることなく、1頭の馬として接していった。

 「この厩舎に来た頃は、肉体面だけでなく、精神面にも幼さが見られました。馴致などでは手を煩わせることもありましたが、飲み込みが早かったこともあってか、その後は順調に進めることができました」(足立氏)

 肉体面での成長には時間を要することにはなったが、ここには昨年も産駒の育成を行ってきた、父ハービンジャーの経験が生かされた。産駒に共通する成長過程を熟知していた足立氏や育成厩舎のスタッフたちは、決して急がせることなく調教を進めていく。すると2歳の夏、ドレッドノータスは、それまでの我慢がようやく花開いたと思えたような動きを調教で見せ始める。

 「入厩の目処が立った同世代の馬たちと併せ馬をしていたのですが、動きの良さ、手応えの良さ共に群を抜いていました。ここから更に成長できたのなら、更に上を目指せる馬になるのではとの期待も膨らんできました」(足立氏)

 その期待通りにメイクデビュー京都を勝利したドレッドノータスは、ラジオNIKKEI杯京都2歳S(G3)へと出走。来年のクラシックへの登竜門とも言えるこのレースで、メイクデビューと同じように好位での競馬を選択する。

 「メイクデビューでもそうでしたが、鞍上の武豊騎手が絶妙な騎乗をしてくれました。直線を向いた時にひょっとしたら勝てるのでは?と思いましたが、ゴール前で差しきった時には声も出ました」(足立氏)

 ドレッドノータスはこの勝利によって、来年のクラシック出走を賞金面でほぼ手中におさめた。

 「重賞馬となったとは言えどもまだ幼さも残っているだけに、3歳になればまだまだ良くなっているはずです。クラシックでもどんなレースを見せてくれるか楽しみでなりません」と足立氏。重賞級の能力は証明されながらも、いまだクラシックタイトルだけでなく、G1タイトルにも縁が遠いディアデラノビアの産駒たちだが、そのイメージを超越するような競走成績をドレッドノータスには期待したくなる。