重賞ウィナーレポート

2015年11月15日 エリザベス女王杯 G1

2015年11月15日 京都競馬場 晴 稍重 芝 2200m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:マリアライト

プロフィール

生年月日
2011年02月19日 04歳
性別/毛色
牝/黒鹿毛
戦績
国内:13戦5勝
総収得賞金
413,958,000円
ディープインパクト
母 (母父)
クリソプレーズ  by  エルコンドルパサー(USA)
馬主
(有) キャロットファーム
生産者
ノーザンファーム (安平)
調教師
久保田 貴士
騎手
蛯名 正義

 今年のエリザベス女王杯(G1)ではノーザンファーム生産馬はフルゲートの18頭中に6頭出走していたが、ノーザンファーム空港牧場の窪田淳調教主任は、ルージュバック、ラキシス、そしてマリアライトと、育成過程を見てきた馬を3頭送り出していた。

 G1の舞台にこれだけの頭数を送り出せることは、そうそう無いことと思った窪田調教主任は、久しぶりに京都競馬場へ応援に行くことを決める。その3頭の中でも久しぶりに対面することになったのがマリアライトだった。

 「育成厩舎に来た頃は幼さだけでなく緩さも残っており、良くなるのはまだ先だと思えました。2歳の夏に久保田調教師も馬に乗りに来てくれたのですが、『時間をかけてやっていった方がいい』と意見が一致しました」(窪田調教主任)

 3歳の1月に迎えたデビュー戦を勝利で飾ったマリアライトは、クラシックは未出走に終わったが、確実にクラスを上げていく。4歳の5月には準オープンを勝利すると、続くマーメイドS(G3)では1番人気の支持を集めるまでに至る。結果は2着だったものの、ここでの賞金加算がエリザベス女王杯(G1)へと繋がった。

 「レースは3頭の位置取りをターフビジョンで追っていましたが、マリアライトが最も展開に恵まれているように見えました。スムーズに抜けだしてきましたし、ゴール前はただ叫んでいましたね」(窪田調教主任)

 後続からは末脚を伸ばして追い込んできたたルージュバック、そして昨年の2着馬であるヌーヴォレコルトも迫ってくる。それでもマリアライトはセーフティリードを保ったまま、クビ差だけ先にゴール板を駆け抜けていた。

 窪田調教主任がG1の口取りに立つのは、三冠牝馬となったアパパネの秋華賞以来だった。「ここまで連れてきてもらったのは育成馬たちのおかげであり、そして久保田厩舎のスタッフや天栄のスタッフ、何よりも空港牧場のスタッフたちのおかげだと改めて思いました。それだけに今後もマリアライトに続く馬を、みんなで一丸となって送り出さなければ行けないと言う気もしています」(窪田調教主任)

 秋華賞(G1)を制したミッキークイーンも窪田調教主任が管理をしてきた馬であり、今週のジャパンカップ(G1)に出走予定。そしてマリアライトは有馬記念(G1)の出走を予定している。各世代ごとにG1馬が誕生し、そしてG1レースに複数頭の出走馬を送り出している事実は、高いレベルの仕事を行っている証でもある。

 「育成を手がけてきた2歳世代にも楽しみな馬がいますよ」とも話す窪田調教主任。そう遠くない時期に見られるかも知れない、マリアライトとミッキークイーンの直接対決を含めたG1馬たちが繰り広げる名勝負は、今後も窪田調教主任が手がけた馬から現れてきそうだ。