2015年11月07日 ファンタジーS G3
優勝馬:キャンディバローズ
プロフィール
- 生年月日
- 2013年03月22日 02歳
- 性別/毛色
- 牝/鹿毛
- 戦績
- 国内:3戦2勝
- 総収得賞金
- 60,781,000円
- 母 (母父)
- アフレタータ by タイキシャトル(USA)
- 馬主
- 猪熊 広次
- 生産者
- 富田牧場 (浦河)
- 調教師
- 矢作 芳人
- 騎手
- C.ルメール
ディープインパクト産駒4頭が同タイムでゴールしたファンタジーS(G3)を制したキャンディバローズは、浦河町にある富田牧場の生産馬。強い勝ち方に、同牧場で3代目社長を務める富田秀一社長は今後のクラシック戦線への手ごたえを感じたようだ。
本馬は母アフレタータ(父タイキシャトル)の6番仔。2番仔の半姉ファインチョイス(父アドマイヤムーン)は函館2歳S(G3)で優勝し、3番仔の半兄アットウィル(父アドマイヤムーン)は現役の準オープン馬。2歳時にはクローバー賞に勝ち、古馬の準オープン級にあがってからもほとんどのレースで掲示板に載る活躍をしている。
2013年函館競馬場で行われたTvh杯では、ファインチョイスが優勝、2着にアットウィルと姉弟でワンツーを果たしているように、姉弟たちが大活躍だ。
富田社長がアフレタータにディープインパクトを配合したのは函館2歳S(G3)を制したファインチョイスが桜花賞(G1)戦線を賑わせ、半兄アットウイルがデビュー直前というタイミングだ。兄姉の活躍に、まだ見ぬ本馬の活躍を重ねたことだろう。
1940年創業という富田牧場は、先代の父輝次さんの時代から重賞馬8頭と活躍馬を輩出している。
1974年にはカミノテシオ(天皇賞(秋))、インターグッド(日本ダービー2着)、その後もメイショウエイカン(京都大賞典(G2))、メイショウドメニカ(福島記念(G3))、メイショウクオリア(京都新聞杯(Jpn2)),ケイアイレオーネ(兵庫ジュニアGP(Jpn2)中央交流)、それに半姉ファインチョイスがいる。
また、ファンの人気を集めたナイスナイスナイス(京都記念(G2))は、引退後、福島県南相馬市に移動して、東北大震災の被害に直面した。だが繋養先の大瀧馬事苑の保護で難を逃れ、その後も大事にされながら「相馬野馬追い」に貢献して2年前に大往生している。
日高の個人牧場で、これだけの重賞馬を出し、姉妹馬で重賞を制するという牧場は多くない。
来年のクラシック制覇への期待が高まる本馬だが、富田社長は「それは楽しみですよ。でも、最近、この地区から重賞馬が3頭続いたのが嬉しい。西舎は、生産牧場が次々と育成牧場に代わり、今、6件ほどしか残っていない中での勝利ですからね。毎週のように祝い酒が飲めて久しぶりに盛り上がっています。」と、仲間たちと喜びを分かち合えていることが嬉しいようだ。 この3頭の殊勲馬は、10月4日のスプリンターズS(G1)優勝馬ストレイトガール(岡本牧場生産馬)、10月31日のアルテミスS(G3)優勝馬デンコウアンジュ(磯野牧場生産馬)と本馬だ。
本馬の母アフレタータは、キャンディバローズを産んだ後、ディープインパクトを受胎しながらも惜しくも亡くなってしまったが、富田牧場には既に、半姉ファインチョイスが繁殖馬として戻り、現在ロードカナロアを受胎して元気な姿を見せている。また、本馬も、将来は牧場に戻る可能性は高いようだ。 本馬の牝馬クラシック戦線初制覇の夢を託しながらも、将来の牧場の基礎を成すであろう重賞姉妹への期待も既に高まっている。