重賞ウィナーレポート

2015年10月11日 毎日王冠 G2

2015年10月11日 東京競馬場 曇 良 芝 1800m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:エイシンヒカリ

プロフィール

生年月日
2011年05月03日 04歳
性別/毛色
牡/芦毛
戦績
国内:9戦8勝
総収得賞金
197,315,000円
ディープインパクト
母 (母父)
キャタリナ(USA)  by  Storm Cat(USA)
馬主
(株) 栄進堂
生産者
木田牧場 (三石)
調教師
坂口 正則
騎手
武 豊
  • たくさん頂いた優勝のお祝いの品
    たくさん頂いた優勝のお祝いの品
  • (有)木田牧場へ入厩してきたばかりの本馬の姉エーシンクールディ(地方重賞8勝)。見た瞬間に「キャタリナだ」と思った程、母馬に似ているそうだ
    (有)木田牧場へ入厩してきたばかりの本馬の姉エーシンクールディ(地方重賞8勝)。見た瞬間に「キャタリナだ」と思った程、母馬に似ているそうだ
  • エイシンヒカリが駆けていた直線約500mの縦長の放牧地
    エイシンヒカリが駆けていた直線約500mの縦長の放牧地
  • エイシンヒカリが駆けていた直線約500mの縦長の放牧地
    エイシンヒカリが駆けていた直線約500mの縦長の放牧地
  • 厩舎と当歳放牧地
    厩舎と当歳放牧地
  • 厩舎
    厩舎
  • 牧場看板
    牧場看板

 東京競馬場で行われた毎日王冠(G2)は、13頭が出走し、スタートから先頭に立った大外枠の1番人気エイシンヒカリが、中団から差を詰めた4番人気のディサイファを1馬身1/4抑えて逃げ切り優勝した。前走のエプソムC(G3)に続く重賞2勝目。通算成績は9戦8勝となった。

 澄んだ秋空と朝晩の冷え込みから色づいた向こうの山の木々、緑の放牧地とのコントラストが美しい晩秋を迎えたエイシンヒカリの故郷、(有)木田牧場。新ひだか町三石の本桐地区で本場と2か所の分場を所有し、家族とパートスタッフの5名程で17頭の繁殖馬と13頭の当歳馬を育てている繁殖牧場だ。

 「おかげさまで、レース後に多くの方にお祝いをして頂きました。」と言う代表の木田圭介さんは、レースを自宅のテレビ前で応援していた。「家族は4コーナーで勝てると思ったみたいでしたが、イスラボニータやディサイファが迫ってきていましたし、自分は最後の最後までいつ抜かれるかと見ているのが辛かったです。とにかく無事に走ってくれという想いでした」と、強いメンバー相手に1800mを逃げ切った生産馬のレースを振り返った。

 1歳の9月頃までをここで過ごし、栄進牧場久世育成センターへと巣立ったエイシンヒカリ。本馬を坂口調教師に初めて見せた際、「産まれてまだ1週間程だったにも関わらず、チャカチャカせず、親仔で黙ってじーっと立っていたのを覚えています」と木田代表はやさしい表情で思い返す。パドックやレースではテンションの高いところを見せる本馬だが、「牧場にいた頃からは考えられないです。目立つことはしないし、手のかからない仔でした。厩舎の関係者の方に聞いた話でも、馬房の中など普段はおとなしいそうですよ。」と言う。父にStorm Catをもつ母馬のキャタリナも、扱いに困ることはなかったそうだ。「覚えているのは、アメリカから空輸後の検疫所より初めて牧場へ入って来た際に、馬運車をガタガタいわせて到着したことぐらいですね。輸送の時だけ、そういう面はありましたが普段は大人しかったです」。

 (有)木田牧場では現在、悪天候や冬季期間以外は昼夜放牧を行っているが、エイシンヒカリが牧場にいた頃に、ちょうど昼夜放牧をし始めた。プラス面も多い昼夜放牧だが、生産者にとっては特に夜間の鹿などによるリスクも大きい。当時、トラブルが起き順調に放牧できない馬が代わる代わる出てくるなか、本馬は舎飼いにした記憶がほとんどないという「ありがたい仔だった」という。

 「何か特別なことをしていますか?と聞かることが多いですが、これといったことはしていません。ただ、常に良くすることは考えています。日々の積み重ねだと、前代表の父にもよく言われます。」地道に日々進化を心がける木田代表の想いを受けるように、OP、G3、G2とステップを連勝で駆け上がってきたエイシンヒカリ。次走は自ら優先出走権を掴んだ天皇賞(秋)(G1)を予定。ぜひとも勢いのままに逃げ切り、頂点を掴んでほしいところだ。「一層相手が強くなります。本当に、無事に走ってくれることだけが願いです」。