重賞ウィナーレポート

2015年09月20日 ローズS G2

2015年09月20日 阪神競馬場 晴 良 芝 1800m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:タッチングスピーチ

プロフィール

生年月日
2012年02月21日 03歳
性別/毛色
牝/鹿毛
戦績
国内:6戦3勝
総収得賞金
114,364,000円
ディープインパクト
母 (母父)
リッスン(IRE)  by  Sadler's Wells(USA)
馬主
(有) サンデーレーシング
生産者
ノーザンファーム (安平)
調教師
石坂 正
騎手
C.ルメール

 2歳戦の動向に敏感な競馬ファンには、デビュー前から知る人ぞ知る存在だったタッチングスピーチ。春クラシック(桜花賞(G1)、オークス(G1))こそ不出走に終わったものの、残る一冠となった秋華賞(G1)のトライアルレースであるローズS(G2)を鮮やかな末脚で勝利。遅れてきたヒロインが、秋に大輪の花を咲かせようとしている。

 「3歳春のレース内容は、タッチングスピーチの能力を高く評価していた自分たちにとっても、『こんなはずではない』という気持ちでした」とは育成を手がけたノーザンファーム早来牧場の日下和博厩舎長。8着に敗れた忘れな草賞の後、タッチングスピーチは日下厩舎で再度調整が行われることになるが、疲労が溜まった姿を見て、日下厩舎長は言葉を失った。

 「その時は秋を目標にするどころか、来年も見据えた調整も考えなければと思った程です。ただ、牧場に戻ってきてからはとてもリラックスしていただけでなく、日に日に状態も良くなっていきました」(日下厩舎長)

 まさに一変したような良化を見せたタッチングスピーチ。その姿を見た牧場側と厩舎間とでの話し合いが行われた結果、札幌競馬場で行われた牝馬限定の500万下への出走を決定。見事な末脚でそのレースを勝利すると、ローズS(G2)を目標に据えたローテーションが組まれていく。

 「札幌でのレースを使った次の日に牧場へ戻ってきたのですが、久しぶりの反動も見られず、十分なケアを行った後、馬体をふっくらとさせた状態で送り出すことができました。このローズS(G2)は今後のレースに向けて試金石になるとの見方をしていましたが、強いメンバーを相手に勝利を収めたことは驚きでしたし、また、この馬の能力の高さを証明できたことを嬉しくも思いました」(日下厩舎長)

 ローズS(G2)だが、3着に入着したトーセンビクトリーも日下厩舎の育成馬。トーセンビクトリーも春クラシックは不出走だが、母にトゥザヴィクトリーを持つ良血馬だけに、秋華賞(G1)で能力を開花させるような走りを見せてもなんら不思議ではない。

 「他のトライアルを使ってきた馬も含め、秋華賞(G1)はよりメンバーが揃うことにもなりますが、2頭ともいいレースを見せてくれただけに楽しみが広がります。タッチングスピーチもレース内容を含めてまだまだ良化が見込めるだけに、秋華賞(G1)では更なる強いレースを期待しています」(日下厩舎長)