重賞ウィナーレポート

2015年07月05日 ラジオNIKKEI賞 G3

2015年07月05日 福島競馬場 曇 良 芝 1800m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:アンビシャス

プロフィール

生年月日
2012年02月17日 03歳
性別/毛色
牡/黒鹿毛
戦績
国内:6戦4勝
総収得賞金
272,497,000円
ディープインパクト
母 (母父)
カーニバルソング  by  エルコンドルパサー(USA)
馬主
近藤 英子
生産者
辻 牧場 (浦河)
調教師
音無 秀孝
騎手
C.ルメール

 かつては「残念ダービー」とも言われ、ダービー(G1)で思うような結果を出せない馬たちによる再戦ムードのある1戦だったが、福島に移行し、そして2006年からはハンデ戦となってダービー(G1)との関連性は薄くなってしまった「第64回 ラジオNIKKEI賞(G3)」。

 7月5日に行われたこのレースは浦河町の辻牧場生産でトップハンデを課せられたアンビシャスが最後の直線で豪快に追い込んで1分46秒4(良)で快勝。重賞挑戦3戦目で待望の初勝利を記録した。

 辻牧場は1910年創業。すでに100年を超える歴史を持つ名門牧場だ。現在は50頭弱の繁殖牝馬を抱えて生産、育成を行う総合牧場だ。その歴史の中でニホンピロムーテー(菊花賞)ヒロキミ(菊花賞)ニホンピロエース(皐月賞)インターグロリア(桜花賞)などを送り、近年でもハッピースプリント(東京ダービー)アドマイヤデウス(日経賞(G2)、日経新春杯(G2))ヒラボクキング(平安ステークス(G3))アドマイヤコスモス(福島記念(G3))などを送り続けている。

 同牧場の辻助レーシングマネージャーは「1番人気馬が勝てないというレースでしたが、思っていたとおり、いや思っていた以上の強い内容だったと思います。ダービー(G1)を回避して、ここに挑んだことが結果に結びついて嬉しい」と声を弾ませた。

 2歳時に新馬、特別を連勝したアンビシャスは年が明けてもしっかりと間隔を空けながらレースキャリアを重ね共同通信杯(G3)は勝ったリアルスティール、2着ドゥラメンテに次ぐ3着。プリンシパルステークス快勝でダービーの出走権利をとったものの、ここに備えた。

 「牧場時代から期待の大きな馬でした。母カーニバルソングが生んだ1歳違いの全兄も良い馬でしたし、2歳違いの半兄も馬っぷりは良かった馬です。アンビシャスも評価の高い馬で、とくに放牧地を走るときのキャンターがすごくきれいで、体幹バランスの良い馬だなという印象がありました」と話し「改めて共同通信杯(G3)のレベルが高かったことを知る結果となり、秋に楽しみが広がりました」と笑顔を広げている。

 今回は、トップハンデを背負い、先行馬の多くが上位に残るような展開の中、馬群を縫って直線では突き抜け2着馬に3馬身半。周囲を圧するパフォーマンスだった。

 「こうして生産者として喜びの輪の中にいられるのは、オーナー、調教師はじめ周囲の方々のおかげ。みんながアンビシャスのために頑張ってくれたからだと思っています。そうしたことへの感謝の気持ちを忘れずに、これからも馬産に励みたい」と意を強くしている。