重賞ウィナーレポート

2015年05月31日 目黒記念 G2

2015年05月31日 東京競馬場 晴 良 芝 2500m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:ヒットザターゲット

プロフィール

生年月日
2008年03月06日 07歳
性別/毛色
牡/栗毛
戦績
国内:41戦9勝
総収得賞金
404,663,000円
キングカメハメハ
母 (母父)
ラティール  by  タマモクロス
馬主
前田 晋二
生産者
ノースヒルズマネジメント (新冠)
調教師
加藤 敬二
騎手
小牧 太

 ダービーデイの名物レースになった第129回目黒記念(G2)は、新冠町のノースヒルズマネジメント(現ノースヒルズ)生産ヒットザターゲットが最後の直線で、馬群をこじ開けるようにしてインコースから伸びて優勝。一昨年10月の京都大賞典(G2)以来の重賞勝利で通算成績を41戦9勝(重賞4勝)とした。父キングカメハメハの産駒は、当日のダービー(G1)も勝利しており1日重賞2勝。2015年9勝目でディープインパクトに2勝差をつけて単独トップを守っている。

 昨年のジャパンカップ(G1)のあと2月の小倉大賞典(G3)までの間、ヒットザターゲットが過ごしたノースヒルズグループの育成施設「大山ヒルズ」の牧場事務所には、この日、牧場スタッフが集まって愛馬に声援を送っていた。

 同ヒルズの齋藤慎マネージャーは「人気はあまりありませんでした(11番人気)が、前走の新潟大賞典(G3)も勝馬からは4馬身少々。11着という着順ほど負けていませんでしたし、トップハンデを背負って大外枠からの競馬だったということを考えれば、よい枠を引いた今回、巻き返しは十分にあると考えていました」とレース前から密かに期待していたという。

 そうした牧場の思いに応えるようにインコースをロスなく進んだヒットザターゲットは最後の直線で、馬群を割るようにして先頭ゴールイン。ここを目標にマイナス10キロ。しっかりと仕上げた厩舎スタッフの努力と、馬の闘争心や持ち味を十分に引き出した小牧騎手の巧みな騎乗が光る1戦でもあった。

 「ゴール前は、みんなで大騒ぎでした。昨年は強い馬との競馬が続いて、ジャパンカップ(G1)のあとはさすがに疲れていましたので、大山ヒルズでリフレッシュさせたことがよかったのかもしれません。本当に嬉しいです」とスタッフと喜びを分かち合った。

 ヒットザターゲットの母ラティールはノースヒルズの前身マエコウファームの生産馬で通算成績は30戦5勝。重賞競走は2着1回3着2回とあと一歩届かなかったが、オークス(G1)でも4着に入るなど、タフに、長く活躍した。ヒットザターゲットは、その5番子だ。

 「血統的にも牧場にとっては思い入れのある馬です。生まれたときから期待の大きな馬で、兄たちと比べても馬の出来栄えには自信がありましたが、大山ヒルズで育成をスタートさせたときは、精神的にまだ子供の部分を多く残す馬でした」と齋藤さん。「そんな成長曲線も、母ラティールとよく似ている馬でした。母も管理いただいた加藤先生には、そのあたりをよくご理解いただいているのも、この馬にとっては良いと思います」。

 このあとは、大山ヒルズで秋に備える予定だそうで、齋藤さんも再会を楽しみにしている。「4つも大きなタイトルをとってくれて嬉しい限りですが、この馬はまだ奥があると思います。もう1度、G1戦線で活躍を期待しています」とエールを送っている。