重賞ウィナーレポート

2015年05月09日 京都新聞杯 G2

2015年05月09日 京都競馬場 曇 良 芝 2200m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:サトノラーゼン

プロフィール

生年月日
2012年03月13日 03歳
性別/毛色
牡/鹿毛
戦績
国内:9戦3勝
総収得賞金
209,761,000円
ディープインパクト
母 (母父)
トゥーピー(GB)  by  Intikhab(USA)
馬主
里見 治
生産者
ノーザンファーム (安平)
調教師
池江 泰寿
騎手
川田 将雅

   5月に施行条件が変更されてから、その年の日本ダービー馬となったアグネスフライトとキズナを輩出。また後にG1馬となったハーツクライも勝ち馬としてその名を残す出世レースが京都新聞杯(G2)。今年の優勝馬となったサトノラーゼンにも、日本ダービー(G1)での好走だけでなく、今後の更なる活躍も期待できる。

   サトノラーゼンの育成を手がけたのは、ノーザンファーム空港牧場のR厩舎。この京都新聞杯(G2)と同じ日、東京競馬場ではダービートライアルのプリンシパルSが行われていたが、勝ち馬となったアンビシャス(生産は浦河・辻牧場)もまた、同じR厩舎で育成を行われていた。

   「京都新聞杯、プリンシパルS共に、他にも育成を手がけていた馬が出走していたので、非常に応援のしがいがありました。その中で2頭が勝利という最高の結果を残してくれたことは嬉しいですね」とR厩舎を含めた、ノーザンファーム空港牧場の調教馬を管理している犬伏健太調教主任は笑顔を見せる。

   育成時のサトノラーゼンについて話を聞くと、「デビュー時期が早かった(2歳7月のメイクデビュー札幌)ように、全くと言っていいほどトラブルが無く、順調に調教を進められた馬でした」との言葉が返ってきた。実際に育成時の資料を見せてもらったのだが、4月16日にはノーザンファーム空港牧場を離れて、ノーザンファームしがらきへと移動。その1ヶ月後には管理をする池江泰寿厩舎へと入厩を果たしている。

   「馬体は小柄でしたが、健康さ、丈夫さを含め、全ての面においてレベルの高い馬でした。勝ち上がるのには時間を要したとはいえ、これまで3着以下は一度も無いレース内容もまた、この馬の能力の高さや丈夫さを物語っていると言えます」(犬伏調教主任)

   しかし、犬伏調教主任から見て、サトノラーゼンがガラッと変わったと思えたのは、JRA北海道シリーズで3戦を戦い抜いたあと、休養を挟んで出走した中京での2歳未勝利戦だった。なんとこの時、サトノラーゼンは前走からプラス26㎏の馬体重で出走。3着には敗れたものの、TVの画面越しにも馬の充実ぶりが見て取れた。

   「一気に大物感のある馬となったという印象を受けました。条件戦とは言え、戦ってきていたメンバーは後の重賞馬だったりと、決してレベルは低くなかった中で、勝ちに等しいレースが安定してできるようになったのも、やはりこの馬体の成長が大きかったのだと思います」(犬伏調教主任)

   その意味において今回の京都新聞杯(G2)の勝利は、まさに充実期を迎えた当然の結果とも言えよう。この日本ダービーが初のG1出走となるが、これまで勝ち負けのレースをしてきた馬たちが出走馬に名を連ねていることからしても、互角以上の勝負も望めるはずだ。

   「メンバーはこれまで以上に強くなりますが、サトノラーゼン自身、ここに来てどんどん強くなってきているとも思いますし、日本ダービーという最高の舞台で、どんなレースを見せてくれるかという気持ちはありますね」と犬伏調教主任。堅実なレースぶりに更なる成長力が加わってくれば、上位入着以上の結果も、充分に期待したくなってくる。