重賞ウィナーレポート

2015年05月03日 天皇賞(春) G1

2015年05月03日 京都競馬場 晴 良 芝 3200m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:ゴールドシップ

プロフィール

生年月日
2009年03月06日 06歳
性別/毛色
牡/芦毛
戦績
国内:24戦13勝
総収得賞金
1,397,767,000円
ステイゴールド
母 (母父)
ポイントフラッグ  by  メジロマックイーン
馬主
合同会社小林英一ホールディングス
生産者
出口牧場 (門別)
調教師
須貝 尚介
騎手
横山 典弘
  • ゴールドシップの母ポイントフラッグ
    ゴールドシップの母ポイントフラッグ
  • 母ポイントフラッグの当歳牡馬(父ステイゴールド)
    母ポイントフラッグの当歳牡馬(父ステイゴールド)
  • 牧場の放牧地
    牧場の放牧地
  • 牧場の厩舎
    牧場の厩舎

 淀の舞台の長丁場、天皇賞(春)(G1)はゴールドシップが優勝。序盤は出負けして最後方からの競馬を強いられたが、3コーナーを前にマクるように進出すると、そのままロングスパートを維持して直線勝負に持ち込み、真っ先にゴール板を切った。

 個性あふれるこの馬らしい走りとは言え、あまりにも豪快な一幕に誰もが舌を巻いた。ゴールドシップの生産は日高町の出口牧場。過去には1987年の天皇賞(秋)(G1)2着のレジェンドテイオーや、昨年のマイルCS南部杯(Jpn1)で好走したポアゾンブラックらを生産している。家族経営の牧場で、繁殖牝馬は11頭いる。

 5月は出産・種付けの繁忙期。同牧場代表の出口俊一さんは日帰りで京都競馬場へ向かい、昨年、フランス・凱旋門賞(G1)出走時に現地応援した息子さん2人とレースを見守った。「パドックでは落ち着いていて、馬体は良く見えました。また白さを増しましたね。スタンドから1周目のホームストレッチを見たときは、リラックスして走っているなと思いました。2周目で仕掛けてからは、ゴールまで声が出ましたね。手応えはずっと怪しかったし、最後は外から追い込まれていたので、ゴールを過ぎても結果はわかりませんでした。レース前に“秘策がある”という話を聞いていましたが、横山典弘騎手が本当に上手く乗ってくれたと思います。」と、喜びを語った。

 興奮冷めやらず、今回は帰宅後もなかなか寝付けなかったという出口さん。天皇賞(春)(G1)は以前からオーナーとともに念願のレースとしていたが、2年連続で苦杯をなめた。今年は一時出走回避する可能性も高まっていたが、出走に踏み切り、3度目の執念を実らせた。

 「天皇賞(春)はG1の中でも重みのある八大競走の一つ。本当に感無量です。ゴールドシップはとにかく丈夫な馬で、これまでケガをしなかったことも大きいですね。チャンスを生かせたと思います。」と、じっくりと栄誉をかみしめる。

 牧場では俊一さんの弟・悟さんがファンファーレを待っていた。偶然にも悟さんはゴールドシップと同じ3月6日生まれ。今回も一緒になって走るような心境でテレビを見つめていた。

 「向正面で一気に上がっていったのを見て、菊花賞(G1)の時を思い出しました。この馬に携わっている全ての皆さまのおかげです。横山典弘騎手が馬の個性を考えて絶妙に乗ってくれました。」と、笑顔がはじけた。レース後は日高町・三輪茂町長、日高軽種馬農業協同組合・木村貢組合長らと万歳で勝利を祝った。

 本馬の母ポイントフラッグは同牧場で繁殖生活を続けており、1歳・当歳は本馬と全く同じ血統の妹、弟が生まれている。

 「1歳の牝馬は背が伸びてきて、だんだんと父ステイゴールドらしさが出てきました。牝馬ですが、ある程度大きくなりそうです。当歳の牡馬もゴールドシップと毛色こそ違いますが、将来を楽しみにしています。ともに順調です。」と、俊一さんは紹介する。今年17歳となる母ポイントフラッグも元気な様子で、今年は小林オーナーの意向でアイルハヴアナザーを交配している。

 本馬の獲得賞金はすでに約14億円に達し、JRA・G1勝利数は歴代1位に迫る「6」。シンボリルドルフ、テイエムオペラオー、ディープインパクト、ウオッカといった歴史的名馬と肩を並べようとしている。俊一さんは今後も無事な競走生活を願いつつ、次なるステージへ思いをはせる。

 「今回のレースも、パドックには応援幕があったり、ゲートに入った時には拍手、仕掛けた時には歓声があったり…改めてこの馬への注目や期待の大きさを感じました。ファンの皆さまに感謝しています。宝塚記念(G1)出走となれば3連覇の記録がかかります。達成できれば最高ですね。」