2015年04月26日 フローラS G2
優勝馬:シングウィズジョイ
プロフィール
- 生年月日
- 2012年02月25日 03歳
- 性別/毛色
- 牝/青鹿毛
- 戦績
- 国内:8戦3勝
- 総収得賞金
- 150,363,000円
- 母 (母父)
- シングライクバード by シンボリクリスエス(USA)
- 馬主
- (有) 社台レースホース
- 生産者
- 社台ファーム (千歳)
- 調教師
- 友道 康夫
- 騎手
- 内田 博幸
今年の牝馬クラシック戦線は、マンハッタンカフェ産駒の活躍が目立っているが、オークスを前にもう1頭、有力馬が名乗りをあげた。
オークス(G1)への優先出走権をかけて行われたフローラS(G2)は、2番人気のシングウィズジョイが優勝。母シングライクバードは08年のフローラS(Jpn2)で5着に敗れて、オークス(G1)の出走を逃しているだけに、母の無念を娘が晴らしたとも言える。
「1歳の暑い時期から乗り馴らしを開始したのですが、体重も減らすこともなく、順調に鍛錬を積んでくれました。冬場から本格的に始まった騎乗鍛錬期でも活気に溢れており、同期の牝馬と比較した場合でもとても丈夫に過ごしてくれたという思い出があります」とは育成を手がけた、社台ファームの斎藤孝調教主任。先程、母の話を書いたが、やはり注目すべきはその血統背景である。ロイヤルレジナを祖とする牝系に代々に渡って配合されてきたのは、エルセンタウロ、リアルシャダイ、ノーザンテースト、そしてシンボリクリスエスといった社台スタリオンステーションの繋養種牡馬。この牝系と共に、まさに旧社台ファーム(現在の社台グループ)が作り上げた血統馬と言える。
「グループの根幹牝系から、クラシックを狙える馬が出てきてくれたというのは、この血統に長きに渡って携わってきた自分たちとしても、とても喜ばしい限りです。このレースで8戦目となりましたが、レースを重ねながら強くなってきていますし、この牝系らしい丈夫さと、健康であることが最大の長所ではないでしょうか」(斎藤氏)
ちなみに、半妹にはネオユニヴァースを父に持つ牝馬(シングライクバードの13)がいるが、順調に調教も進み、既に山元トレーニングセンターへと移動。しなやかな動きは育成スタッフからも高い評価を集めていた。また、現1歳は母の産駒では初めての牡馬(シングライクバードの14、父キンシャサノキセキ)で、力強さがある動きは姉2頭とはまた違った印象があるという。
「管理をしてくださった友道調教師をはじめ、厩舎の方とも普段から上手くコンタクトが取れており、鞍上の内田騎手、出資会員さんを含め、みんなで勝ち取った勝利だと思います」と斎藤氏。最近の競馬、特にG1レースでは日本で牝系を築いてきた馬の活躍が目立っている。それは日本の競馬をDNAに刻み込まれていることもあるのかもしれないが、シングウィズジョイもまた、この牝系の優秀さをオークスで示すのかもしれない。