重賞ウィナーレポート

2015年03月22日 スプリングS G2

2015年03月22日 中山競馬場 晴 良 芝 1800m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:キタサンブラック

プロフィール

生年月日
2012年03月10日 03歳
性別/毛色
牡/鹿毛
戦績
国内:3戦3勝
総収得賞金
1,876,843,000円
ブラックタイド
母 (母父)
シュガーハート  by  サクラバクシンオー
馬主
(有) 大野商事
生産者
ヤナガワ牧場 (門別)
調教師
清水 久詞
騎手
北村 宏司

 皐月賞(G1)への重要なステップレース「第64回スプリングステークス(G2)」は日高町ヤナガワ牧場生産の5番人気キタサンブラックが早め先頭から後続の追撃を抑え込んで重賞初挑戦で初勝利。不敗のまま皐月賞(G1)の大舞台へと歩を進めることになった。

 ヤナガワ牧場の重賞勝利は1月の東海ステークス(G2)(勝馬コパノリッキー)2月のフェブラリーS(G1)(勝馬コパノリッキー)に続いて3勝目となった。

 「もちろん、勝って欲しいという気持ちはありましたが、このレースにはキタサンブラックと同じように不敗の2連勝している馬が他にも2頭いて、また3連勝中の馬もいましたので、簡単に勝てるとは思っていませんでした。言葉にするのは難しいのですが、勝って欲しいと思いながら、何とか先々につながるレースをして欲しい、そしてできることであれば(皐月賞(G1)の)出走権利を獲ってほしいというくらいの気持ちだったかもしれません」というのは梁川牧場の梁川正普社長。3月下旬の馬産地は出産、種付けの繁忙期を迎えているが、愛馬の晴れ姿をひと目見ようと中山競馬場に足を運んだ。

 「最初、パドックで自分の馬を見たときに本当に良く見えたんです。ですが、他の馬を見たら、どの馬も素晴らしく見えて自信がなくなりました」と頭をかいた。キタサンブラックは、そんな生産者の気持ちを良い意味で裏切るような快走を見せた。

 梁川さんが驚いたのは、今回のようなスローペースでもまったく引っかからずにジョッキーの意のままに動けること。前半の半マイルが49秒8。1000m通過が62秒6いうペースのなか、2番手につけると早めに抜け出してそのままゴールへと飛び込んだ。2着には2戦2戦のディープインパクト産駒。3着には前年の2歳王者。「抜け出したときは勝ったと思いましたが、坂をあがってからは、強い馬たちに一気に来られて…。やはりゴールするまではヒヤヒヤでした」と笑った。

 殊勲の母シュガーハートも同牧場の生産馬だ。「期待の大きな馬で、実際、デビュー前の栗東トレセンでは良い動きを見せてくれた馬です。残念ながら、脚部不安を発症してデビューすることはできませんでしたが、期待どおりの仔を産んでくれて嬉しいです」と相好を崩した。

 「順調であれば次は皐月賞(G1)ということになるのでしょうが、生産者の立場からは出走するレースすべてに無事を祈る気持ちです。大きなレースに勝つことができて、そして大きな舞台に進めることが出来るのは馬主はじめ厩舎関係者、育成牧場の方々など多くの方のおかげと感謝しています。そういった人たちのためにも頑張ってほしいと思います」とエールを送っている。