2015年03月07日 チューリップ賞 G3
優勝馬:ココロノアイ
プロフィール
- 生年月日
- 2012年04月28日 03歳
- 性別/毛色
- 牝/鹿毛
- 戦績
- 国内:5戦3勝
- 総収得賞金
- 111,453,000円
- 父
- ステイゴールド
- 母 (母父)
- ビューティソング by デインヒル(USA)
- 馬主
- (有) 酒井牧場
- 生産者
- 酒井牧場 (浦河)
- 調教師
- 尾関 知人
- 騎手
- 横山 典弘
桜花賞トライアル「第22回チューリップ賞(G3)」は浦河町の酒井牧場のオーナーブリーディングホース、ココロノアイが直線で鋭く抜け出して優勝。前走の阪神ジュベナイルフィリーズ(G1)の雪辱を果たして、桜花賞(G1)へ向けて大きく前進した。
酒井牧場は北海道浦河町にある老舗牧場だ。1961年にはハクショウ、チトセホープで同一年のダービーとオークスを制覇。このときオークスから連闘で挑んだチトセホープはダービーでも勝馬からハナ+1馬身差の3着に健闘している。また1987年にはマックスビューティが牝馬2冠を達成。交流重賞の申し子と言われたホクトベガも同牧場の生産馬だ。
創業は1940年で、現在の代表、酒井一馬さんが4代目当主となる。生産頭数を増やさずに、少数精鋭を貫いて多くの活躍馬を輩出している。
ココロノアイは、今春に急逝したステイゴールド産駒。母ビューティソングは1993年の桜花賞(G1)、オークス(G1)ともに3着だったマックスジョリーが唯一残した産駒で、その母は前出のマックスビューティ。マックスジョリーはマックスビューティが唯一残した牝馬なので、本当にわずかな可能性を繋いだファミリーだ。
レース当日、酒井一馬社長は阪神競馬場で愛馬に声援を送っていた。午前中から怪しげな天候だったが、午後からは本格的な雨。加えて発表された馬体重はプラス10キロだった。
「調教師の先生からはもっと増えているかもしれないよと言われていましたので、数字は気になりませんでした。実際、パドックでは太いというよりも逞しく見えました」と思いはレース後、さらに強いものとなった。
「今回は道中の折り合いもよく、心身ともに逞しくなった印象を受けました。短期放牧に出た育成牧場の方々や尾関先生以下厩舎スタッフの方が本当によく馬のことを理解してくれてケアいただいたからだと思います。上手に導いてくれたジョッキーも含め、この勝利はすべての方のおかげです」と感謝の言葉を口にした。
そして、次は同距離、同コースで行われる桜花賞(G1)。
「脚元に不安を抱えていた牧場時代から、本当にいろいろな方のお世話になってきた馬です。G1レース、とりわけクラシックレースというのはすべての人の夢でもありますので、その方々のためにもとにかく無事にレースを迎えてほしいです」と生産者ならではの言葉で表現した。
レース当日は出産、種付けの繁忙期と重なる。少人数スタッフの酒井牧場にとっては「本当に猫の手も借りたいくらいの日々」が続くが「みんなは無理でも、誰かは応援にいきます。みんなのためにも頑張ってほしい」と心待ちにしている。