2015年02月08日 東京新聞杯 G3
優勝馬:ヴァンセンヌ
プロフィール
- 生年月日
- 2009年04月11日 06歳
- 性別/毛色
- 牡/鹿毛
- 戦績
- 国内:11戦6勝
- 総収得賞金
- 160,942,000円
- 馬主
- (有) 社台レースホース
- 生産者
- (有)社台コーポレーション白老ファーム (白老)
- 調教師
- 松永 幹夫
- 騎手
- 福永 祐一
現役時はJRA最優秀短距離馬と、最優秀父内国産馬に輝いたフラワーパーク。繁殖牝馬となってからは、5勝をあげたフィレンツェ、オープンのマーガレットSを制したクリアンサスなどの産駒を送り出してきたが、ヴァンセンヌが母に待望の重賞タイトルを授けた。
「母に接してきた我々からしても、ようやくと言った感じがします」とは白老ファームの石垣節雄繁殖主任。97年に現役を引退してからは、白老ファームで繋養されてきたフラワーパークであるが、繁殖としてのキャリアの割に、09年に産まれたヴァンセンヌが7番仔と決して産駒は多くない。
「決して多くはない産駒でしたが、どの馬たちも馬体、血統共に、将来の活躍を期待したくなるほどの可能性を感じさせてくれていました」(石垣繁殖主任)
これまでもサンデーサイレンスだけでなく、オーストラリアへRedoute's Choiceを配合するために輸出されるなど、国内外のトップサイアーを配合してきたフラワーパーク。ヴァンセンヌの父であるディープインパクトとの配合も、それだけの繁殖牝馬という評価の現れとも言える。
「競走成績だけでなく、産駒成績からしても短距離系の母に、クラシックを制した父との配合ということで、産まれるまではどちらに出るのだろう?と思ってもいました」(石垣繁殖主任)
デビュー戦となった3歳未勝利戦は芝1800mの距離を快勝。続く芝2200mの京都新聞杯(G2)で12着に敗れると、この後、右前脚の剥離骨折が判明。その後、マイルの鳳来寺山特別で復帰を果たすも12着で、2勝目を上げたのは芝1800mの4歳上500万下。しかし1000万下でマイルのレースを2度使った後で、右前脚に屈腱炎を発症。復帰までに1年7か月を要する、長期休養を余儀なくされてしまう。
「クラスを上げては休養といった感じだったので、2度目の休養の後、2戦目で勝ってくれた時には、良く立ち直ってくれたとの思いがありました。ただ、そこから連勝を続け、重賞に出走しただけでなく、勝ってくれたことはは驚きでもありました」(石垣繁殖主任)
その4連勝の内容だが、芝1800mの小峰城特別の他は全て芝のマイル戦。現役時の自身を彷彿とさせるかのように、芝の中長距離重賞を席巻しているディープインパクトであるが、マイル戦における産駒成績の安定度もまた特筆もの。その意味では母フラワーパーク譲りと言えるスピードもマッチされたヴァンセンヌは、まさに父母両者の長所が引き出された好配合とも言える。
「フラワーパークは2013年の産駒(フラワーパークの2013、牝、父キンシャサノキセキ)を最後に繁殖を引退しており、現在は功労馬となっています。繁殖入りした頃は、短距離馬らしいピリッとした一面ものぞかせていましたが、活躍した牝馬に共通した頭の良さも持ち合わせており、何事にも動じなく、無駄なこともしない。本当に扱いやすい繁殖でした」(石垣繁殖主任)
その母も連勝を重ねながらシルクロードS(G3)で重賞制覇を果たし、そして高松宮杯(G1)も勝利した馬。母と同様の勢いを感じさせるヴァンセンヌにも、G1タイトルが見えて来た。
「ようやくG1レースに挑戦させてもらえるところまで来たんだな、というのが、今の気持ちです。それでも持っている能力の高さが無ければ、4連勝で重賞を制覇できないとも思いますし、それだけに今後の楽しみが広がります」(石垣繁殖主任)
次走はまだ未定とのことだが、間違いなく今年の芝マイル戦線を沸かせる存在となりそうなヴァンセンヌ。母フラワーパークと同じように、初G1でいきなり勝利をあげる姿が見られるかもしれない。