重賞ウィナーレポート

2014年12月20日 愛知杯 G3

2014年12月20日 中京競馬場 雨 重 芝 2000m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:ディアデラマドレ

プロフィール

生年月日
2010年02月22日 04歳
性別/毛色
牝/鹿毛
戦績
国内:13戦6勝
総収得賞金
188,221,000円
馬主
(有) キャロットファーム
生産者
ノーザンファーム (安平)
調教師
角居 勝彦
騎手
藤岡 康太

   この愛知杯(G3)を含め重賞3勝。エリザベス女王杯(G1)でも3着など、ディアデラマドレにとって、今年は飛躍の1年となった。

    「昨年の今頃は牧場で休養していたことを考えると、今年は本当に頑張ってくれたと思います」とノーザンファーム早来牧場の日下和博厩舎長は表情をほころばせる。血統、そして調教での動きと、育成時からクラシック候補として期待されていたディアデラマドレではあったが、その能力開花を阻んだのは2歳時、そして3歳時と2度に渡る骨折だった。

    しかし、今年のパールSで復帰後は2戦目にマーメイドS(G3)を優勝。クイーンS(G3)では5着だったものの、府中牝馬S(G2)を優勝し、エリザベス女王杯(G1)では上がり3ハロンでメンバー中最速となる33秒1の脚を使って3着に入る。

   「今年1年のレース内容、そして馬体の充実度を見ていても、心身共にますます逞しくなってきたという印象を受けました」(日下厩舎長) 

   重賞3勝目を賭けて挑んだこの愛知杯(G3)では、ハンデ頭の56㎏を背負い、しかも初の中京コースにそれまで勝ち鞍の無い重馬場と、様々な不安要素があったのにも関わらず、1番人気の評価を集める。 

   「道悪では決していい成績を残してはいませんでしたが、血統(父キングカメハメハ)的にもこなせないわけはないと思っていましたし、エリザベス女王杯で見せたような走りができたのなら、このメンバーでも勝ち負けの競馬ができると思っていました」(日下厩舎長)

   その言葉通りの素晴らしい末脚だった。後方からレースを進めたディアデラマドレは、最後の直線で馬群と降り続く雨を切り裂くかのように、一気に先頭に踊り出る。そのまま、2着馬には1馬身の差を付けて優勝。まさに力の違いを見せつけた形となった。

    この愛知杯(G3)の勝利で重賞は3勝目となったが、それは日下厩舎長にとって、目標としていた数字でもあった。 

   「母のディアデラノビアも重賞で3勝をあげていますからね。その数字に1年で並べただけでなく、母仔制覇を果たせたことも嬉しいです」(日下厩舎長) 

   来年は古牝馬の重賞戦線の主役を務めそうなディアデラマドレ。日下厩舎長もまた、「まだまだ強くなる馬だと思っていますし、それだけに来年もいい状態で競馬をして欲しいですね」と話す。その向こうにあるのは母を超える重賞勝利数であり、そして母も果たせなかったG1タイトルとなるのだろう。