重賞ウィナーレポート

2014年11月16日 エリザベス女王杯 G1

2014年11月16日 京都競馬場 晴 良 芝 2200m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:ラキシス

プロフィール

生年月日
2010年01月31日 04歳
性別/毛色
牝/鹿毛
戦績
国内:11戦4勝
総収得賞金
295,986,000円
ディープインパクト
母 (母父)
マジックストーム(USA)  by  Storm Cat(USA)
馬主
大島 昌也
生産者
ノーザンファーム (安平)
調教師
角居 勝彦
騎手
川田 将雅

 重賞未勝利馬がG1レースを勝利するのが、今年の秋G1シリーズのトレンド。ラキシスも重賞勝ち馬たちを抑えて3番人気に指示されたが、昨年のエリザベス女王杯(G1)の2着で証明して見せた、実力面も評価されての高い評価だったに違いない。

 「昨年のレース内容、そして今年に入ってからの重賞における惜しいレースからも、今年のエリザベス女王杯(G1)でG1を勝ち取れる可能性はある馬だと思っていました」とは、ノーザンファーム空港牧場でラキシスの育成調教に携わった窪田淳調教主任。しかし、騎乗育成を始めたばかりの頃のラキシスは、強い調教を行う度に馬体を減らしていたほどに調整には気を使う馬でもあった。

 「同世代の育成馬と比べるとゆっくりとした成長曲線を辿っていきました。それでも飛びの大きなフォームから、スピードに乗った走りを見せていました。騎乗していても思った以上のスピードが出てしまったほどです」(窪田厩舎長)

 デビューは2歳の12月。窪田厩舎長は次に繋がる結果を残せればとの思いでレースを見ていたというが、見事に勝利。その後、2戦を使った後にラキシスは調整のために、ノーザンファーム空港牧場へと戻ってくる。まだ完成しきってはいなかったが、それでも育成時に比べると、よりしっかりとしてきた印象があったという。

 「こちらで夏を過ごしていた期間に力も付いてきたことを、休養明けの連勝で証明してくれました。それでもG1で2着となるとは思ってもみませんでした」(窪田厩舎長)

 今年2戦目の中日新聞杯(G3)でも2着となり、ヴィクトリアマイル(G1)の後には再びノーザンファーム空港牧場で調整されることとなったが、その時には秋の目標をエリザベス女王杯(G1)にすることが決まっていたという。

 「調整中の状態ですが、昨年よりも更に馬はしっかりとしていました。秋初戦となるオールカマー(G2)では2着となり、一線級の牡馬を相手にしてもひけを取らないどころか、賞金を加算してくれたことで、更にエリザベス女王杯(G1)への期待は高まりました」(窪田厩舎長)

 そのエリザベス女王杯(G1)だが、昨年が大外枠だったのにも関わらず、今回は最内枠。「そこまで極端にならなくとも…」と窪田厩舎長は思ったと言うが、縦長の展開となったレースで、最内枠の利を生かすかのようにインコースを回ったラキシスは、これまでため込んだ力を一気に発揮するように末脚を爆発させ、ゴール手前で先に抜けだしていたヌーヴォレコルトをクビ差交わしてみせる。

 まさに充実期を迎えた感のあるラキシスだが、この後は有馬記念(G1)に出走。牝馬の頂点となった今、次は牡馬を倒して日本一の競走馬の座を狙う。

 「十分な期間を取りながらレースを使えているので回復も早いでしょうし、メンバーも揃いますが、今のラキシスならという楽しみもあります」(窪田厩舎長)

 晴れてG1馬として挑む有馬記念(G1)。タイトルホルダーとなったラキシスは、より成長した姿を、暮れの中山競馬場で見せてくれるはずだ。