重賞ウィナーレポート

2014年11月16日 福島記念 G3

2014年11月16日 福島競馬場 曇 良 芝 2000m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:ミトラ

プロフィール

生年月日
2008年04月11日 06歳
性別/毛色
せん/黒鹿毛
戦績
国内:20戦8勝
総収得賞金
287,916,000円
シンボリクリスエス(USA)
母 (母父)
エイグレット  by  サンデーサイレンス(USA)
馬主
吉田 勝己
生産者
ノーザンファーム (安平)
調教師
萩原 清
騎手
M.バルザローナ

 今年の福島記念(G3)を制したミトラは、デビュー後、間もなくしてセン馬となっている。とはいえども、育成時はそこまで人の手を煩わせる馬では無かったと、ノーザンファーム空港牧場の犬伏健太調教主任は話す。

 「兄弟の育成も担当してきており、ちょっと癖のある血統ではありますが、決してミトラだけがうるさいというわけではありませんでした。ただ、ミトラは喉の調子が良くなく、その手術をする際に、よりレースに集中させる意味合いで去勢することになりました」(犬伏調教主任)

 ミトラには乗る機会も多かった犬伏調教主任だが、乗り味の良さに加え、これまで跨ってきた活躍馬たちと遜色無いような雰囲気も感じさせていたという。

 「その頃は芝の中距離辺りの条件が合っているのではという印象がありました。競馬場に戻ってからはダートの短距離を使われていますが、喉の負担を減らすためのレース選択だったのでしょうし、むしろこの条件でも安定したレースを続けてくれたことで、着実にクラスを上げられたのは大きかったと思います」(犬伏調教主任)

 その後、脚元の不安もあり、1年以上の休養を余儀なくされたミトラだったが、今年のパラダイスSで見事に復帰戦を飾ると、京成杯オータムH(G3)でも3着に入着。福島記念(G3)の行われる芝2000mは初めての条件となったが、それは育成時に犬伏調教主任が合っていると感じていた、芝の中距離でもあった。

 1枠からの出走となったミトラは、同じく内枠を引いた馬たちと先行勢を形成。ゴール前でフラアンジェリコが迫ってくるも、距離の不安など感じさせない、セーフティリードを保ったままのゴールとなった。

 「復帰戦ということもありますが、パラダイスSのレースを見た後は感慨深くもなりました。その後の重賞でも好走してくれていましたし、福島記念(G3)を勝利した時には、やはり中距離が合っていると感じさせてくれました」(犬伏調教主任)

 6歳ながらも長期の休養を挟んでいることもあって、まだ20戦。またセン馬は長く競走できるとも言われており、この重賞制覇をきっかけに更なる飛躍も期待できそうだ。

 「距離適性の広さを証明できただけでなく、重賞でも十分に戦えることが証明できたわけですし、今後は息長く重賞を沸かしてくれるだけでなく、またタイトルを取ってくれたら嬉しいですね」(犬伏調教主任)