重賞ウィナーレポート

2014年12月06日 金鯱賞 G2

2014年12月06日 中京競馬場 曇 良 芝 2000m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:ラストインパクト

プロフィール

生年月日
2010年01月21日 04歳
性別/毛色
牡/青鹿毛
戦績
国内:18戦7勝
総収得賞金
443,589,000円
ディープインパクト
母 (母父)
スペリオルパール  by  ティンバーカントリー(USA)
馬主
有限会社シルク
生産者
(有)社台コーポレーション白老ファーム (白老)
調教師
松田 博資
騎手
川田 将雅

 京都大賞典(G2)に続き、金鯱賞(G2)も優勝。今年の有馬記念(G1)の惑星馬として、ラストインパクトに注目が集まってきた。

 生産牧場は金鯱賞(G2)の時点で、今年の中央重賞を11勝している白老ファーム。有馬記念(G1)にはラストランとなるジャスタウェイも出走を予定しており、また、オルフェーヴルが11年と13年に優勝、全兄に当たるドリームジャーニーも09年に優勝と、牧場にとっても験のいいレースである。

 「蒼々たるメンバーの中で、1番人気に支持されたことは驚きではありましたが、見事にその期待に応えるような走りを見せてくれました」とは白老ファームの橋本裕充場長。出走馬17頭中、12頭が重賞勝ち馬頭と、非常にハイレベルなレースとなった今年の金鯱賞(G2)だが、その中でもファンは前走の京都大賞典(G2)でG1馬2頭(トーセンラー、メイショウマンボ)を封じ込んだラストインパクトの能力、そして勢いを他のどの馬よりも高く評価した。

 「前走(京都大賞典(G2))の内容からしても、いい競馬は見せてくれるはずとの期待は持っていました。それでもレース内容も素晴らしかったですし、ここに来て走りが更に安定してきたような印象を受けます」(橋本場長)

 その橋本場長が語る、ラストインパクトのセールスポイントとは、「切れのある脚」が持ち味とされるディープインパクト産駒にしては珍しく、「長くいい脚」が使えること。また今回は中団からの競馬、京都大賞典(G2)では3番手でレースを進めるなど、自在性を持ち合わせており、展開に左右されないレースができるようになったこともまた、ここに来ての安定した成績に繋がっている。

 「同世代のディープインパクト産駒の中でも、外見的評価が高かった1頭です。競走馬としてはゆっくりとした成長曲線を歩んでいくことになりましたが、それでもいつか大成してくれるはずと思っていたので、G1の舞台でも注目されるような馬となったことは嬉しい限りです」(橋本場長)

 次走に予定されている有馬記念(G1)だが、この金鯱賞(G2)よりもメンバーが揃っており、ラストインパクトにとっては試金石となりそうなレース。それだけに勝ちに等しい成績、もしくは今年の大一番を締めくくる勝利を収めるようだと、来年以降は日本競馬界の主役ともなり得る可能性も出てきている。

 「強い馬たちを相手にどこまでやれるのか?という気持ちより、今のラストインパクトなら実績が上位の馬たちとレースをしても、恥ずかしくない結果が残せるのではという期待の方が大きいですね」(橋本場長)

 今年のG1レースは2勝をあげている馬がまだ出ていないように、古馬の芝中長距離界も群雄割拠の時代となっている。それだけに勢いがあり、そして積極果敢なレースぶりからも、中山コースが合いそうなラストインパクトは、今年の中央競馬のフィナーレを飾るG1馬となる資格が十分にあると言えそうだ。