重賞ウィナーレポート

2014年11月15日 デイリー杯2歳S G2

2014年11月15日 京都競馬場 晴 良 芝 1600m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:タガノエスプレッソ

プロフィール

生年月日
2012年02月12日 02歳
性別/毛色
牡/鹿毛
戦績
国内:4戦2勝
総収得賞金
306,337,000円
ブラックタイド
母 (母父)
タガノレヴェントン  by  キングカメハメハ
馬主
八木 良司
生産者
有限会社新冠タガノファーム (新冠)
調教師
五十嵐 忠男
騎手
岩田 康誠

 今年から阪神競馬場に移設された朝日杯フューチュリティS(G1)への重要なステップレース「デイリー杯2歳ステークス(G2)」は岩田康誠騎手騎乗で5番人気のタガノエスプレッソが後方待機策から少しづつポジションをあげて3コーナーでは好位に進出。直線に入ると早めに抜け出して迫る後続の追撃を完封。自身の初重賞勝ちで、生まれ故郷に2つめのJRA重賞タイトルをもたらした。

 タガノエスプレッソの生まれ故郷は新冠町にある新冠タガノファーム。2003年創業と比較的新しい牧場だが、「タガノ」の冠名で知られる八木良司オーナーのオーナーブリーディングファームで、新冠町に複数の拠点を構えているほか、様似町にも牧場を構える大規模総合牧場だ。今春のファルコンS(G3)(勝馬タガノグランパ)に続くJRA重賞勝利に沸いている。

 「生産者として期待はしておりましたが、今回は未勝利戦を勝ったばかり。しかも、強い馬が相手でしたので、将来につながるレースをしてくれればよい」という期待を、良い意味で裏切る快走に驚きと喜びを隠せない表情で語ってくれたのは同ファームの田沼正美場長。しかし、実はリアルタイムではなく、VTRでレースを見たそうだ。

 「同じ日に東京競馬場で行われた武蔵野ステークスを、以前からお世話になっている八木常郎さんの生産馬ワイドバッハが勝ったので、そのお祝いの準備をしているところでタガノエスプレッソの勝利を知りました」と頭をかいた。「牧場時代は、健康な馬でした。大きなケガや病気もなく、預かっていただく厩舎にご迷惑をかけない馬だろうなという手応えはありました」と言い「同じ新冠地区で、同じ日に重賞競走を勝てるとは嬉しい限り。こうやって地域全体で盛り上がってくれることが何よりです」と喜びを表現してくれた。

 「キャリアを重ねるごとにレース内容が良くなっていると思います。それに、これくらいの距離(1600m)があっているのかもしれません。今回は、激しいレースになりましたので、VTRでも最後まで安心することはできませんでした」と表情を崩し「重賞競走は簡単には勝てるものではないと思っています。この馬の適性を見抜いてレースを選んでくれた厩舎関係者のおかげです」と感謝の言葉を口にした。

 本馬の母タガノレヴェントンは、近親にヘッドライナーやトゥザヴィクトリーらがいる血統。競走馬としてはやや不完全な競走生活だったが、母としてオーナーや牧場スタッフの期待に応えてくれた。「なかなか簡単には手に入らない血統馬ですから、こうして重賞勝馬をファミリーのブラックタイプに送り込むことができたことで、少しでも恩返し出来たなら嬉しいです」と言い「いまの当牧場があるのは、厩舎関係者の方々や社台グループのおかげ。本当に感謝しています」と言葉を続け「これからは強い馬ばかりが相手になりますが、とにかく無事に走り続けてほしい」とエールを送っている。