2014年09月06日 札幌2歳S G3
優勝馬:ブライトエンブレム
プロフィール
- 生年月日
- 2012年04月06日 02歳
- 性別/毛色
- 牡/鹿毛
- 戦績
- 国内:2戦2勝
- 総収得賞金
- 75,551,000円
- 父
- ネオユニヴァース
- 母 (母父)
- ブラックエンブレム by ウォーエンブレム(USA)
- 馬主
- 有限会社シルク
- 生産者
- ノーザンファーム (安平)
- 調教師
- 小島 茂之
- 騎手
- 田辺 裕信
芝1800Mで行われる2歳重賞競走ということもあり、来年のクラシックレースを目指すような有力馬がひしめき合う札幌2歳S(G3)。先行馬、追い込み馬がひしめき合うゴール前、一気に先頭へと踊り出たのは、母に秋華賞馬ブラックエンブレムを持つ良血馬のブライトエンブレムだった。
「いい勝ち方をしてくれたと思います。メイクデビューでも鮮やかな勝ち方を見せてくれたのですが、その時は展開も味方に付けられたとも思っていただけに、この勝利は内容共々今後に繋がりますね」と育成を手がけたノーザンファーム早来牧場の横手裕二厩舎長は笑顔を見せる。
G1馬を母に持つブライトエンブレムには、育成厩舎に移って来た頃から大きな期待をかけていたが、その一方で、完成を迎えるのはまだ先になるとも思っていた。
「メイクデビューの時ですら半信半疑だったように、乗り込んでいてもなかなかしっかりとしてこなく、素質だけで走っているような印象さえありました。それでも厩舎でゲート試験や更にワンランク上の調教、そしてレースで目一杯走ることによって、変わってくるのではとも期待は持っていました」(横手厩舎長)
そのメイクデビューで勝利したブライトエンブレムだが、横手厩舎長の元に思わぬ連絡が入る。次走までの調整期間を牧場で過ごさせることになったというのだ。しばらくは厩舎か近くの施設で管理させるものと思っていた横手厩舎長には驚きもあった。
「レースを使ってきた疲れも見られなかっただけでなく、調教を重ねるにつれて状態も非常に良くなっていきました。とはいっても、まだ本州が暑い季節に戻すのは可哀想と思っていましたし、ならば札幌2歳ステークスに使ってみてはどうだろう?と思うようになりました」(横手厩舎長)
育成時からブライトエンブレムに跨ってきたスタッフもまた、自らが感じる成長分もくみ取って、札幌2歳S(G3)に出走させたい旨を横手厩舎長に伝えてきた。その意見も踏まえて、横手厩舎長は出走させたいという意思を、ノーザンファームの場長や管理をする小島茂之調教師に進言。所属するクラブ関係者の意見も一つになり、ブライトエンブレムの札幌2歳S(G3)出走は決まった。
「勝ったとは言え荒削りなレースであり、その辺もまだまだ成長しなくてはいけないと感じています。それでもレース後、牧場に帰ってきてからのチェックで、どこも痛みもなく、しかも疲れも残っていなかったように、思っていた以上に身体の強い馬。今後のレースに向けて、身体の強さはアドバンテージともなりそうですし、今後、思っていたような成長を遂げられたのなら、来年のクラシックでもいいレースを見せてくれるはずです」(横手厩舎長)
確かにブライトエンブレムが競走馬として完成を迎える時期は、まだ先になるのかもしれない。それだけにここで来年のクラシックレース出走を賞金面でクリアし、今後、馬本意のローテーションでレースに臨んでいけることは、身体の強さに加えて、更なるアドバンテージともなっていきそうだ。