重賞ウィナーレポート

2014年05月11日 NHKマイルC G1

2014年05月11日 東京競馬場 晴 良 芝 1600m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:ミッキーアイル

プロフィール

生年月日
2011年03月12日 03歳
性別/毛色
牡/鹿毛
戦績
国内:6戦5勝
総収得賞金
529,481,000円
ディープインパクト
母 (母父)
スターアイル(IRE)  by  ロックオブジブラルタル(IRE)
馬主
野田 みづき
生産者
ノーザンファーム (安平)
調教師
音無 秀孝
騎手
浜中 俊

   このNHKマイルC(G1)では単勝1.9倍という圧倒的な支持。しかし、前走のアーリントンC(G3)の1.4倍よりは高く、また初めての重賞制覇となったシンザン記念(G3)の1.6倍よりもまだ高い。マイル戦では2歳未勝利戦から破竹の4連勝を遂げたミッキーアイルにしては、いささか落ち着いたオッズにも思えるが、それはG1レースということでメンバーが揃ったという問題ではないだろう。

   ミッキーアイルがこのレースで他の17頭と共に挑まなくてはならなかったのは、525.9mというゴール板までの直線距離。勿論これは、これまでのレースで最長の直線距離であり、逃げ馬であるミッキーアイルは、17頭からのプレッシャーを感じながら、525.9mを走り抜けなければいけなかった。

    「能力的にもこの中では1番強いとは思っていましたが、それでも東京競馬場でミッキーアイルらしい強さを見せられるのかという不安はありました」とはミッキーアイルの育成を手がけたノーザンファーム空港牧場の犬伏健太厩舎長。だが、その不安はパドックでのミッキーアイルの姿を見たときに一掃されることとなる。

    「状態は最高でした。それまでは輸送や久しぶりのレースということでの入れこみも見られるのではとの危惧もありましたが、実に落ち着いた様子で歩いていて、馬体重も前走よりプラス8キロながら、きっちりと仕上げられた馬体であり、まさに文句の付けようが無い出来だったと思います」(犬伏厩舎長)

   ゲートが開くと、真っ先に飛び出したのはやはりミッキーアイル。2ハロン目でこのレースの最速となる11秒フラットを計時すると、他に付いてこられる馬はなく、1000mは58秒4で通過。あとは最後の直線、再び加速して一気に馬群を突き放すかにかかっていた。

   しかし、それをおいそれと許さないのが525.9mの距離。馬群は抜けだしたかに見えたミッキーアイルから離れることなく、むしろ集団で襲いかかってくる。インコースで待機したタガノブルグとキングズオブザサンが、大外からはロサギガンティアが上がり3ハロン最速の脚で迫ってくる。それでもミッキーアイルは先頭を譲ることはなかった。

   「ゴールの瞬間はホッとしたという気持ちです。たいした馬だなと改めて思いましたし、追い出しを我慢して、最高のタイミングで仕掛けてくれた浜中俊騎手も完璧な騎乗を見せてくれたと思います」(犬伏厩舎長)

   3歳最速馬であることを、G1制覇という形で改めて証明することとなったミッキーアイル。この後は同世代の馬たちだけでなく、古馬との対決も待っている。

   「まだ、古馬とは戦ったことはありませんが、そこでもミッキーアイルらしいレースを見せてくれるはずです。いずれにせよ、今後もまだ大きなタイトルを積み重ねていくだけでなく、将来は種牡馬ともなれる馬と思っているだけに、どう成長を遂げて行くのかも楽しみでなりません」(犬伏厩舎長)